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きっと古谷さんなら大丈夫だ。


だが、これだけじゃまだ足りない。


「実はもう一つ良いニュースと悪いニュースがあるんですが、どちらから聞きます?」


ポカーンとしている古谷さんに二択で質問すると


「では、悪い方からお願いします。」


俺は頷き、答える。


「ダンジョンで現在発見したモンスターが落とすアイテムに食材が見当たらなくなりました。」


これは遅かれ早かれ伝えねばならない話だった。


「ええ、それは承知しております。もともとの予定では、有るときに卸してもらうお約束でしたしね。」


よかった、これでこの問題はなんとかなるだろう。



「では続けて、良いニュースに行きますね。」


古谷さんが頷くのを確認し、伝える。


「新しい果物が出来ました!一緒に試食しましょう!」


ポーチから出したのは、もぎたてのスターメロンだ。


「こ、これが果物ですか!?」


俺も最初はそう思った、だが素材の内二つが果物なのだ。


鑑定の結果でも確認は取れている。


「では、切りますね!」


地面に置き、使い慣れた包丁でストンと切ると一気に匂いが噴出した。


匂いを楽しむのを一旦止め、切り口を見ると断面も空色で点滅を続けていた。




「綺麗ですね・・・」


確かに綺麗だ。


「では食べましょうか!」


はい!と元気よく頷く古谷さんを見て、ようやく肩の荷がおりた気分だ。


シャクリと音が鳴り果汁があふれる。


食感はミュータントメロンと同じだが、皮に向かう程にヒラトリの実の味がする。


うん、なかなかに美味しい。


「古谷さん、どうですか?これは使えますかね?」


「ええ!とても美味しいです!これなら幾つでも買い取りますよ!」


よかった、だけど古谷さんそれは違う。


「明日、この実のなる樹の種をお譲りしますよ。」



え?と声をあげてこちらを見ている古谷さんに


サムズアップに笑顔を添えて答える。


「楽しみにしててください!」


それから翠に跨り一緒に帰れば、あおいとプラムが出迎えてくれる。


撮影しながら倒したコウモリから入手したスターアイも二つあるし


「合成しますか!」


ポイポイポイッと投げ込めば、スターメロンの種が出来上がる。


数は二つ、古谷さんはもちろん石川さんの分もしっかりと忘れずにね。


旅館の運営に、この樹もきっと役に立ってくれるだろう。



寝るにはまだ早い時間なので、ダンジョンの探索を始める。


「うーん、綺麗だけど出てくるモンスターは変わらないのね。」


コウモリを打ち落とし、ネズミを捕殺し


淡々と続けていたが、ついにあの音が来た。


キィンっと響く卵が落ちたときの音だ。


「きた!!」


今度は何が産まれるんだろう?


ルビーのように真っ赤で、中心部で炎が燃えているような不思議な卵


ワクワクしながら鑑定をかけるが


卵:孵化するまでは何が産まれるかわからない。


と表示されるだけだった。


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