カメラ
「これは陶芸家の人に頼んでみますね!」
あ、それとと続け
「どうぞ!カメラが届きましたよ!」
石川さんが、鞄から小さな箱を取り出した。
「おお!ありがとうございます!」
これであおい達を沢山撮ってあげよう。
「動画も撮れるので、あおいちゃん達の可愛い所を余すことなく保存してくださいね!!」
すごく強調された。
用も済んだので、カメラとよくわからないケーブルを受け取って来た道を反対に歩き出す。
新しいおもちゃを買ってもらった子供のような気分だ。
家に到着したら、プラムと翠が出迎えてくれた。
あおいも、翠を見つけるとすぐに翠の頭に飛んでいった。
カメラを充電する間に、説明書を読んでいくと
ようやくこのケーブルの意味がわかった。
「なるほど、これでカメラをパソコンに繋げればいいんだな。」
読み終わる頃には、カメラも充電されていたので
さっそくあおい達を一匹ずつ撮影していく。
その後も、ヒラトリの樹やミュータントメロン・合成樹を撮影した。
ここまでくると、もっと撮りたいと思ってしまう。
「うん、行ってみよう!」
俺はカメラを回しながら、ダンジョンへの階段を下り始めた。
やっぱり綺麗だよなー、と思いながら見回すと
スターアイズバットが襲い掛かってきた。
攻撃を避け続け、カメラでコウモリを追い続ける。
「うん、こんなものか!」
満足した俺は、すぐにカメラをポーチに仕舞い
ツルハシでコウモリを打ち落とした。
「よし、一旦戻って取り込んでみるか!」
階段を駆け上り、カメラを充電しながらケーブルを挿す。
「ん、結構時間掛かるのか。」
取り込まれるまでの間、あおい達と戯れていると
庭からパキッと、何かが割れるような音が鳴った。
「ん?なんだ?」
見回してみても、何も変わった所はないように思えるが。
すると、あおいが俺の膝からおりてトコトコと歩き出した。
何かと思い、ついていくと
そこはスターメロンの種を埋めた場所だった。
「なるほど」
種が割れた音だったのか。
となると、もうすぐ芽が出てくるということになる。
急いでパソコンを確認すると、取り込みはすでに終っていた。
「よし!間に合え!」
慣れない手つきでカメラからデータを消し、種を埋めた場所へ走る。
「よし、いつでもいいぞ!」
芽が出てくる所を撮ろうと必死になっていたのだが、なかなか出てこなかった。
期待していただけに、少し残念だ。
「そうだ!」
カメラを固定してまわし続けてみよう!
定点での撮影になってしまうが、面白そうな場面を見逃すよりはずっとマシだ。
「これでよしっと!」
晩御飯をどうしようか考えていたが、今まで古谷さんのお店で食べたことが無いことに気付く。
「よし、今晩は古谷さんのお店で食べようか!」




