ペア
うん、こんなものだろう。
スコップでペンペンと叩くと、軽く水を撒いた。
「よし、いくかー!」
んー!と伸びをして呟くと、あおいが肩に飛んできた。
「ん?どうしたんだ?」
問いかけても返事は来ない
首を傾げて考えてみたが、あおいは俺の肩を掴んだまま座りこんでしまった。
今から石川さんの所へ行こうと思っていたのだが・・・
「まあいいか、一緒に行こうか!」
この辺りの住人は皆、あおい達の存在は知っているはずだから
見られて困ることはないだろう。
「あれ、石川さんかな?なんか凄い走ってるけど・・・」
こちらに向かって手を振ってきたので、振り返しながら小走りで近寄っていく。
「どうかしたんですか?」
とりあえず、石川さんが息を整えている間にこちらから問いかけてみることにした。
突然、バッ!と音が聞こえそうな勢いで顔を上げた石川さんが
「テレビ中継!決まりました!」
話を聞いていくと、海岸で虹水晶を割り海に虹を飛ばすとのこと。
未発見で、ダンジョン産という希少な鉱石を使用するので
なかなかに大掛かりなステージが組み立てられるという。
「なんか凄いことになっちゃいましたね・・・あっ!」
しまった、この話の後だと切り出しづらい。
「ん?どうかしました?」
聞こえちゃってたか・・・、よし!
「実は新しい鉱石が手に入ったので相談しようかと。」
大丈夫かな?
「なるほど、そういうことでしたか!鉱石関係でしたら大丈夫ですよ、引き取ってくれる場所はいくつかありますから!」
流石というか何というか、相変わらずキラキラしてるなー。
あれこれ言っているうちに、あおいがいつの間にか石川さんの肩に乗り換えていた。
「では、まずはこちらから。」
そう告げてスターアイを取り出し、石川さんに渡す。
「これはまた、とても綺麗な鉱石ですね!」
スターアイは点滅する空色の球体で、透明度こそないが宝石といっても通りそうな見た目をしている。
「ええ、本当はもう一つあったんですが面白そうなことがあって使っちゃいました!」
本命は別にあるからいいけどね!
「もう一つあるんですがいいですか?」
「ええ!綺麗なものは大好きですから!ぜひ見せてください!」
それならきっと喜んでもらえるかな?
「これです。今は粘土の状態ですけどね!」
「へー!ぐにぐにしてますね?おもしろーい!」
粘土で遊びだした石川さん。
自由だなー。
「実はこれを焼き上げると宝石になるそうなんですよ!」
「宝石に!?」
「ええ、高熱でという条件がありますけどね。これくらいの大きさならお猪口と徳利をセットで作れそうじゃないですか?」
少し気が早かったかな?
「んー、難しいかもしれないです。お猪口をペアで作ってギリギリじゃないですかね?」
はずかしい!!




