変異種
「あ、そうか」
何てことはない、単純にコウモリと同じ
いや、それよりももっと簡単だ。
跳ねているのでどうしても動きが直線的になってしまう。
それならば、こちらが追う必要はないのだ。
俺はすぐにポーチからウサギの毛皮を取り出し、両手で持って上下に振り回す。
暫く振り回していると、ボフンという音と一緒に手にずっしりした衝撃がきた。
「よし、いまだ!」
すぐに四方を拾い上げ、袋状にすると床にたたきつけて思い切り踏み潰した。
「ふぅ、やっと片付いたか。」
レベル:36 HP:103/260 技能:鑑定 幸運(微)
「うわっ!半分以上減らされていたのか。」
早々に対処できてよかった。
HPが全損した際に何が起こるかわからない、極力そのような状況は避けて通るべきなのだ。
今日は家に帰ろう。
「っと、その前に」
ウサギの毛皮を開き、落としたアイテムを取り出す。
「んー?なんだこれ?」
全体的が藍色で、キラキラと光っている。
だが、触った感触は鉱石ではなく肉の感触だったのだ。
鉱石粘土:高温で焼き上げると半透明の宝石になる。
「またえらいものが・・・」
この粘土を集めて食器を作ったら、宝石でできた陶器の完成というわけだ。
宝石関係だから石川さんに見てもらおうかな。
翌日、期待通りに合成樹の種は立派な樹になっていた。
だが、大きな楕円の穴が四つあり
その内の三つの表面が波打っている。
「なるほど、この三つが投入口なんだな。」
合成樹の種を鑑定した際に、三つまでと記載してあったのだ。
ここが投入口で間違いないだろう。
合成樹が目の前にあるわけだが・・・何か入れてみたい。
し、仕方が無いだろ!こんなドキドキワクワクのパンドラの箱みたいなものがあるなら
合成してみたくなるさ!なるよな?
「よし・・・」
とりあえず今ここで調達できるものから始めてみよう。
まずはヒラトリの実、蜂蜜を投げ込んでみた。
二分ほどすると、ゴロンと取り出し口から何かが転がり出た。
ヒラトリの実(変異種):甘味が強く感じられるようになったヒラトリの実
「そういうことか」
もしも俺の予想が正しければ、この組み合わせで理想のものが出来るはず。
だが、もう一つは何にしようか・・・
「あ、あれがあったか!」
二つあるから一個くらい使ってみてもいいだろう。
そうときまればと、メロン・ヒラトリの実・スターアイを放り込んだ。
取り出し口からでてきたのは、見た目だけならスターアイそのままなのだが
スターメロンの種:成長すると小さな樹に育つ。
という鑑定結果が出た。
「ふむ、とりあえず植えてみましょ。」




