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中継

石川さんはとても明るい人なのだが、何故か今日はいつにも増して明るい気がする。


「何かいいことでもあったんですか?」


そっと聞いてみると


「ええ、美味しいものが食べられて満足です!」


との答えが返ってきた。


なるほど、あのメロンは確かに美味しい。


だが、石川さんは


「それだけじゃないんですけどね」


と続け


「あの虹水晶の買取額が決まりましたよ!ただ、一つだけ問題があって・・・」


その問題とは、俺と古谷さんだけが見ている現象のことだった。



確かに未発見の水晶であるうえに、ダンジョンから出土したというのだ。


今までアイテムを持ち帰った人が少ないこともあり、怪しんでいるらしい。


加えて、古谷さんと俺だけが水晶を割った際の光景を見ている。


つまり


「それなら、水晶一つは差し上げるので割ってみてください。」


この一言で問題は解決する。


「え!?い・・・いいんですか?一つだけでも結構な額になっているんですが・・・」


え?そうなの・・・?


でもまあ


「ええ、もともと収入だけなら古谷さんに卸している分だけで十分ですからね。」


もっと沢山の人に観てもらいたいし、いいよね。



「譲る際に一つだけ条件をつけてもいいですか?」


「条件・・・ですか?」


「ええ、条件と言うか頼みごとですかね?」


もともと売却先が決まったら伝えるつもりだったことを石川さんに伝えておく。


「内容にもよりますけど、出来る限りのことはしますよ!」


ふんすと意気込んでいる石川さんを見るのは元気が出る。


「譲った石を割る際に、大勢の人に観てもらいたいのです。」


あの光景は、落ち込んでる人や頑張っている人に観てもらいたい。


俺のささやかな自己満足、これで気分が盛り上がればという勝手な想いだ。



「わかりました!そういうことでしたら、どこかの学校の校庭を借りましょう!」


「お手数おかけします。」


「いえいえ!あ、ついでに許可が取れたらテレビ中継もしちゃいましょう!」


え!?


まあいいか、きっとうまくやってくれるだろう。


「それでは、そろそろお暇しますね。」


これからの準備がありますので、と石川さん。


「色々とありがとうございました。また好きなときに遊びに来てくださいね。」


あおい達がすごく懐いてたからな、今も寂しそうにしているし。



「さて、暫く攻略はしてなかったし五階層へいってみようか。」


レベル:※35 HP:250/250 技能:鑑定 幸運(微)


うん、変わりはないな。


五階層への階段手前で確認し、ゆっくりと階段を下りていく。


「はぁ、ちょっと勿体無い気がするけど・・・。」


しかたがない、二周目があったのだ。


三周目があっても不思議ではない。


五階層はすでに明るく、以前とは違い大部屋が一つだけだった。


だがその真ん中に宝箱が置いてあり、その蓋の部分にはビー玉が3つ埋め込んであった。


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