目標
あとはセットアップをすれば終わりだといわれたが
正直いって何をしているのかさっぱりわからない。
情報収集のために購入したので、あまり気にはしないが性能が良かったら機能が無駄になってしまう。
そしたらなんだか申し訳ないな。
「マニュアルもあるので気になったら読んでくださいね。」
なるほど、ここまで気を配ってもらったのなら頑張るしかないだろう。
「ありがとうございます、出来るだけ使いこなせるように頑張りますね。」
そうこうしているうちにセットアップも終ったとのこと。
今回はジュースを用意できなかったので、お土産用にヒラトリの実を二つずつ渡してお別れした。
だが、石川さんがこっちを見ている。
「何を調べるんですかー?」
なるほど、調べたいことが気になっていたのか。
「よかったら少し見ていきます?」
身体をずらし、ダンジョン・アクセサリーで検索した画面を見せる。
「アクセサリーですか?そういう報告は無かったと思いますけど・・・」
えっ!?
「ちょっと待ってください、今までで一件も報告がなかったんですか!?」
喰い気味で質問すると、若干引き気味で返答がもらえた。
「え・・・ええ、アクセサリーなんて落ちてるんですか?」
「落ちている、というより入っているですかね。宝箱に入っていたんですよ。」
ほら、と指輪と腕輪を見せる。
「これが身体を丈夫にする指輪と、毒やウィルスなんかを効かなくする腕輪です。」
両方ともダンジョンで見つけたものだと説明すると
石川さんは、なるほどと頷いた。
「それで検索しようとしていたんですね。」
俺も頷き、画面を見るが
何かのゲームと思われるものの攻略とかしか表示されていなかった。
例のテーマパークの事を書いている文章もいくつか見つけたのだが
行って来ますの後の新しい記事は未だ記載されていない。
「どこもこんな感じです。なのでダンジョンに一番詳しいのは恐らく井出さん、貴方なんですよ。」
えー・・・・
「まあ、俺の最初からの目標は一つだけなんですけどね。」
もしダンジョンを作った奴がいたらぶん殴る!
居ないならば、危険が無くなるまで探索し続けることだ!
「よし、今度日記を書いてみますよ。あおい達の写真も載せてね。」
「え?でもそれじゃ・・・」
「必要なことなんですよ、ここのダンジョンで出てくる敵と同じ奴がいるかもしれないですから。」
その攻撃方法や立ち回りなどを書いて、少しでも生還率が上がればいいな
それが自分勝手だが、自分が出来る精一杯のお手伝いだから。
「そうですね、そしたらカメラと周辺機器も調達しないとですね。」
すっかり忘れていた。
「大丈夫です、カメラもこちらで発注しておきますから!」
本当にありがたい。




