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キラキラ

どうしようか、もはや隠し通せる物ではないだろう。


「あれ?なんだか綺麗な植物ですね!」


みつかったあああああああ!!!!


まずい、いやこれはチャンスだ!


「え、ええ。これはうちのダンジョンで採れたものなんですよ。」


ほら、とあおい達を呼ぶとプラムに乗ってヒラトリの樹の上から下りてきた。


そんなとこに隠れてたのか・・・


「これがうちの子たちです。」


プラムを見て驚いて、あおいと翠を見て


「この子達ください!!」


古谷さんと同じ反応をしてきた。


「だめですよー!」



正気に戻った石川さんに、外のダンジョンのことを聞いてみると


意外にも敷地の差し押さえなどは無いようだ。


だが、俺のように自ら潜ろうとする者はあまり居ないと言う。


というのも、今でこそ住人を尊重されて入るが


出現直後から暫くは、調査と言う名目で一時封鎖されていたらしい。


それも一週間ほどで解除されたと言う。


理由は単純で、武装して潜った調査員が数名しか帰ってこなかったのだ。


それはつまり、その土地で死者が出たということである。



当然のように、住人からは猛抗議があり


敷地内で死者を出したことによる心理的負荷がどうとかで裁判にまで発展し


高額の慰謝料を毟り取ったうえに、封鎖された地域の開放を勝ち取ったらしい。


「うわー、住人達もえぐいことしますね。」


当然の抗議ではあるのだが、これから政府が支払うべき遺族への補填もあるのだ。


その裁判の後、住人達はダンジョンをメインにした小さなテーマパークを作ったという。


興味を持って集まってきた人々に、有料で公開しているのだとか。



当然、帰還者も数は多くなく


帰ってきた者も、二度とは近づかないという。


「自業自得といえばそれまでなんですけどね、それでもテーマパーク自体に人気が出てしまって収拾がつかないのですよ。」


「なるほどねー・・・」


力を持った馬鹿は恐ろしいというが、こういうことなのかな?


ちょっと違う気もするが、それでも苦情の電話は来てないのだとか。


「うまく隠してるんですかね?」


ダンジョンで採れたものは、拾得者の物という。


運試し、力試しにとそそのかされる子供たちのことを考えると少し悲しくなった。



「そう暗くならないでください、ここはそんなことしていないんでしょう?」


石川さんは、俺の表情を見て何かを察したらしい。


「ええ、ここに潜っているのは俺だけです。」


あおいに翠にプラム、警備体制もばっちりだ!


「それなら大丈夫ですよ。それよりも!食料となる物がダンジョンから出てくるというのは初めて聞きました!」


すっごく目がキラキラしていらっしゃる・・・


「ちょうどいい時間ですし、おやつにしましょうか。」


サンダルを履き縁側から外に出ると、メロンを収穫してキッチンに向かう。



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