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増殖

そんな上質な肉が二十と数個あるわけだ


これはもうあれしかない。


「古谷さんに何か作ってもらおう!」


古谷さんに丸投げだ!


レベル:22 HP:170 技能:鑑定 幸運(微) 


「んー、一気に上がってるなー。」


一周めのダンジョンではレベルの上限が十だったのに


何故二週目では二十を超えても上限がこないのか。


何かを解決すれば新たな疑問が生まれる。


ダンジョンとは、なんて酷い場所なんだ・・・


正直に言えば、今回のネズミ戦は辛勝だった。


ここでもっとレベルを上げる必要がありそうだ。




翌朝、古谷さんが玄関まで来ていた。


「ん?おはようございます。どうしたんですか?」


何の用かと尋ねてみれば


「何から伝えたらいいのか・・・、とりあえずそうですね」


表情は明るいので悪い話ではなさそうだ。


「素晴らしい食材を提供してくださって助かりました、ありがとうございます。」


お客さんも喜んでくれていました、と続けた。


これには俺も嬉しくなり、二人で握手を交わしてしまったほどだ。


そこで返事をしていないこと気付き


「いえいえ、有るときにしか卸せないので・・・」


と返答した。



「そうですね・・・調達するのに制限が掛かるのは仕方が無いことですよ。」


うんうんと頷く、命がけですもの。


あっと思い出し。


「古谷さんのレストランって花壇ありましたよね、何か植える予定はありますか?」


そう、レストランの駐車場には綺麗な造りの花壇があった


だが、何も生えていない状態だった。


種を植えてあるのかもしれないので、確認をしてみる。


「いえ、今はまだ何も植える予定はないですね。」


人手が足りないもので、と苦笑いを返された。



「それなら、ダンジョンで拾ってきた植物の苗があるんですが・・・」


どうですか?と聞いてみる。


古谷さんも、襲ってきた蔓植物の話を知っているので


どんな植物か聞いてくる。


その顔も必死に隠そうとはしているが、引き攣っているのがよくわかる。


「だいじょうぶですよ、ベリー系の果実ができるみたいです。」


「ほう、そんなものが!」


ダンジョンで採れた食材を食してきた仲間なだけはある。


本当は庭で育てたかったのだが、暫くはレベル上げの日々が続くのだ。


またドロップすることもあるだろうと、今回は譲ることにした。



さて、ここで俺が何故広い花壇に一株しかない苗を譲ったのかだが


ダンジョンの植物の調査であることも伝えておいた。


ヒラトリの樹や、あおい・翠のことを考えると


ダンジョンでドロップしたものは、基本的に成長が早い。


なので、古谷さんに苗を譲り


花壇という有限の枠の中で、どれだけ増殖するのかを調べてみたかったのだ。


今回もそうなるだろうと、古谷さんに何度も確認しながら説明をした。


古谷さんも、しっかりと聞いてはいるが半信半疑といった状態だ。


だが、それも翌日になれば古谷さんは受け入れるしかなかった。


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