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ネズミ肉

家に着くころには、すでに辺りは暗くなっていた。


「今日はあまり長く潜れないな。」


いそいそと準備をし、三階層へ下りていく。


夜の三階層は、昼とは全く違う世界だった。


樹が一本もないのだ。


「どうなってんだ!?」


困惑していると、周囲からカサカサと音がする。


身体を低く構えるが、目の前に出てきたモンスターを見て安心した。


だが、それも束の間


現れたネズミが群れを作っていた、数も百は超えている。


そんなネズミの群れが、一匹残らずこちらを見ているのだ。


「まじかよ・・・」



状況の整理をしていると、突然ネズミ達が道を譲り始めた。


そして目の前に一匹のネズミが出てきたのだ、二足歩行で・・・


「チューチュッチュチューチュチュッチュー!!」


「いや、わかんねーよ!」


何かを伝えたいのだろうが、全く伝わらない。


目の前のネズミは、腕を組んで何かを考えていたようだが


どこからか赤い旗のついた棒を取り出し、バサッと俺の方に振り下ろした。


それを合図に、取り囲んでいたネズミ達は武器を持ち


俺に飛び掛ってきた。



「くそっ!結局襲ってくるのかよ!」


二足歩行のネズミ達は、両手に鉈を持った状態で俺の周りを走り回る。


少しずつ倒してはいるが、脚を狙って攻めてくるので


動きはしだいに鈍くなっていく。


「くそっ!」


何か無いかと、倒しながらもポーチに入れたものを思い出す。


「そうだ!」


ツルハシのリーチの長さでは、機敏に動くネズミに有効ではない。


ならばと、ポーチから蜂の顎を取り出した。


両手で持ち、二つに割れば簡単に双剣の出来上がりだ。


「さあ、反撃だ!」



ネズミがそこそこの速さで動き回るので、ある程度予測ができる


その通り道に蜂の顎を構えてやれば、簡単に狩れるというわけだ。


半分ぐらいまで倒したとき、赤い旗を持ったネズミが旗を持ち替えた。


青い旗を振り上げたのだ。


その後の行動は理解できる、赤が襲撃なら青は撤退だろう。


「させるか!」


背を見せて逃げ出そうとする旗ネズミに蜂の顎を投げつける。


ブーメランのようにヒュンヒュンと音をたてて飛んでいく蜂の顎は


旗ネズミを難なく引き裂いた。



「よし!仕留めた!!」


旗ネズミを仕留めると、周囲にいた鉈ネズミ達が困惑しはじめた。


「ちゃ~んす!」


ニヤリと口角を引き上げて、使い慣れたツルハシを構えて走り回る。


慌てているネズミ達はなんか可愛いのだが、これは生きるか死ぬかの戦いなのだ。


うん、罪悪感が半端じゃない。


二十分もすれば、周囲にネズミはいなくなった。


「ん?ネズミから肉なんて出たっけ?」


大ネズミの肉:上位の大ネズミから稀に取れる肉


「なるほど」


いい物を拾えたようだ。


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