鑑定
しかし、その木箱の形はどう見ても・・・
「宝箱・・・だよな?」
鍵はないようだが・・・
何かあると怖いので、宝箱の後ろ側に回り、ツルハシで引っ掛けて蓋を開けた。
蓋は軋んだ音を出すものの、罠などはなかった。
恐る恐る覗き込むと、ネックレスが入っていた。
そのネックレスを手に取ると、目の前に不思議な物が見えるようになる。
「なんだこれ??」
レベル 1 HP 10/10
「えっと・・・これって・・・」
レベルって言うとあれだよな?
ゲームなんかでよくあるシステムの・・・
「ええええええええええ!?」
レベルとHPの表示以外は見当たらない。
恐らくレベルは強さ的な物
HPは体力的なものだろう。
「なんだこれ・・・ネックレスの効果なのか?」
恐る恐るネックレスを首にかけてみるが、その時は変わったことはおきなかった。
眠気もなかなかに強くなってきたので家に帰って寝ることにした。
時計を見ると午前3時
怖いけどなかなかに面白い体験だった。
明日も潜ってみよう。
そう決めると布団に潜り、10時にアラームをセットして眠りに付くのだった。
アラームが鳴る。
「朝か・・・」
捲れた畳と床板を見つめる。
「はぁ・・・夢じゃないか・・・」
ため息をつきながらご飯を作りに掛かる。
食後にウェストポーチをひっくり返し、昨日の戦利品を観察する。
「何に使うんだコレ・・・」
ネズミの爪のような物が7個と、緑色の液体が入った試験管が40本あった。
そして、ふと気づいた。
「あれ?このポーチってこんなに入ったっけ?」
一度出した物を全て入れてみるが、問題なく入った。
このポーチもしかしたら・・・
「アイテムボックスってやつか・・・」
容量はさほど多くないようだが、そこそこ入るようだ。
「いや、それよりもネックレスはどこに消えたんだ?」
そう、首に掛けていたネックレスが消えていたのだ。
少し余裕はあったものの、頭から被せても入ら無かった
なので寝ているときに外れるといったことは考え難い。
昨日見えていたレベルという文字を思い出すと、目の前にレベルとHPが映っていた。
そこには新たに増えた技能という文字も・・・
「技能・・・鑑定?」
レベル:1 HP:10/10 技能:鑑定
「うん、増えてるよな・・・」
レベルを思い浮かべて文字が浮かんできたことを考え、鑑定を意識してアイテムを見る。
ネズミの爪:大型ネズミの爪
「おぉ・・・爪だったのか。こっちはどうだ?」
アシッドワームの酸:アシッドワームが吐き出す酸
「あぶな!!飲まなくて良かったー!」
緑色の回復薬をゲームでよく見かけていたので、飲んで検証しなくて良かった。
「鑑定で鑑定って調べられるのかな?」