表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/170

未来

「仕方がない、今回は退いておこう。」


まだ蜂と戦うには不安が残る


しばらくの間はイモムシとネズミでのレベル上げをしなければならない。


それに、今回の調査を始める前に買っておいたものもある


「もう二階層の蜂は怖くないぞ!」


声を張り宣言して帰ろうとするのだが、後ろからブーンと音が聞こえてきたので


顔を青くしながらも走って逃げた。


油断しないと決めたばかりなのにこの失態


どうやら俺は学習しないダメな大人のようだ。


家に戻れば、大きく育ったヒラトリの樹が三本みえたので


ここにきてようやく一息つけた。



翌日、奥の手を持って二階層へ下りる。


階段を下りると、通路の端のほうにウサギの尻尾が見える。


ソロリと歩き、近づいていくのだが


僅かな音に反応されてしまった。


振り下ろしたツルハシも柄を蹴り上げられ、手から離れてしまい包丁で迎撃する。


おなじみになってきたパターンに苦笑いをこぼし


リュックから毛布を外してカーテンのようにトンカチで釘を打っていく。


「懐かしいな、前もこれやったよな。」


だがここからは違う。


噴煙型の殺虫剤、これが今回の武器となる。



今回使うのは擦って煙を出すタイプだ。


擦ってポイ、擦ってポイと五つほど投げ込んだら後はレベル上げの時間だ。


ウサギの巣を探してみたが、見つからないので


ウサギとネズミが現れるのを待っていた。


二時間ほどして、最後に出現したネズミを倒した後


毛布のカーテンを外し、マスクをして蜂の部屋に足を踏み入れた。


既に蜂の姿はなく、落としたのであろう大顎がいくつも転がっていた。


手を切らないようにせっせとポーチへしまえば


あとは楽しい蜂蜜採取のお時間だ。



鼻歌を歌いながら、巣を壊して蜂蜜を採取していく。


「今回も豊作だなー」


蜂蜜だけの前回とは違い、今回はこんな物まで落としてくれた。


蜂の子:乾燥させた蜂の子


興味はあるが俺が食べるわけではない、あおいの餌になりそうだからな。


レベルの方も17まで上がっていた。


「ふむ、次の階層を目指してもよさそうかな・・・」


アイテムもおいしい敵とはいえ、何度も戦うほど余裕は無い。


ならば、先に進んでしまった方がいいと考えた。


三階層への階段もすぐに見つかり、二階層は無事に攻略された。



三階層は、以前と景色が変わらなかった。


だが、間違いなく変化はあった。


樹が空洞ではなく、四階層に生えていた樹と同じで


ツルハシでの攻撃では傷一つ付かなかったのだ。


それだけではなく、徘徊するモンスターも見当たらない。


一体どうなっているのだろう。


樹洞もないのでこちらからモンスターを誘き寄せることが出来ない



それでは困るのだ、ここでレベルを上げられないと次の階で間違いなく苦戦する。


そんな未来が既に見えているのだから。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ