イモムシ
ウエストポーチに通されたベルトへ包丁を差込み、ツルハシを肩に担ぎ、ヘッドライトを装備
先程の装備に加え、包丁を増やした。
階段を下りきって床を照らすと、ネズミがいた。
大きさは60cmほどだろうか?
「でかすぎるだろ・・・」
恐る恐る天井を照らしてみたが、コウモリはいなかった。
ふぅ・・・と安堵の息を吐く
だがこれからだ
「すぅ・・はぁ・・・よしっ!」
ツルハシを構えてネズミに襲い掛かった。
反撃を貰うことはなかったが、手にかかる感触が気持ち悪い。
ネズミが息絶えると、数秒後に光となって消えていった。
その場に光る物を残して。
「何だこれ?」
光るそれは、牙のような、爪のような・・・
そんな形をしていたが、どちらか判断が出来なかった。
「んー?」
首をかしげ拾い上げ、観察する。
先程の死んだら消えるという現象。
どこかで見たことがある。
それは子供の頃に流行っていたゲームだ。
その中に出てきた施設の一つに似たようなものがあったのだ。
「まさか・・・おい・・・まさか・・・」
そして、その名称と内容を思い出す。
「ダンジョン・・・・なのか?」
ダンジョンという魔物が蔓延る魔窟であった。
拾い上げた爪のような物をウェストポーチに仕舞い、探索を続けた。
暫くは同じネズミが何度か現れたが、イモムシとコウモリは未だ見つからない。
「まさか出現するモンスターまでリセットされるのか?」
どのタイミングかは分からないが・・・
階段から下りてすぐの部屋は、大部屋になっていた。
だが収穫はあった。
通路を一つ見つけたのだ。
恐る恐る覗き込むと、イモムシが詰まっていた。
「なんだこれ?」
本当になんだこれ?である。
詰まって身動きが取れなくなっているのだから・・・
何の苦もなくツルハシで叩きまくると、イモムシは消えていった。
イモムシが残したのは試験管に入った液体だった。
「緑色・・・ポーションってやつか?いや、あとで調べよう。」
試験管をしまい、先を照らす。
「うわぁ・・・・うっぷ・・・」
イモムシが居た。
1匹や2匹ではない。
小部屋いっぱいに詰まっているのだ。
そう、上下左右いっぱいにだ。
あまりのグロさに呆けていると、上にいたイモムシが何か液体を吐き出してきた。
ギリギリのところで避けると、液体の当たった所が少し溶けている。
「は・・・はは・・・」
「はは・・・ははは・・・」
上等だ、俺の感情メーターが振り切れちまったよ。
「ぶっころす!!」
ツルハシを横に持ち、グルグルと片足を基点に周りだす。
つるはしの重さにも加わって、回転はどんどん速くなる。
そしてそのまま・・・
「ハハハハハッハハハハハ!!!しねしねしね!!!」
イモムシの山に突っ込んでいった。
イモムシが消え、イモムシが落ちてきて、またイモムシが消える。
全滅させるのに時間はそう掛からなかった。
大量のアイテムが落ちているが、気になる物があり、そちらを観察していた。
そう、木箱が残っていたのだ。