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レベルの力

おばちゃんと縁側でドーナツを食べながらお茶を飲む。


うん、美味しい。


ほらみて、とヒラトリの樹に指を指して見せた。


「あれがジャムの素になった果物がなる樹だよ、植えてからまだ二日目なのにあんなにでかくなっちゃったんだ。」


「ほう、あの樹がね・・・。本当に不思議な事があるものだねぇ。」


うんうん、と何度も頷きながら話を聞いてくれる。


そんな時間も終わりが近づく。


別れ際にそうだ、と思い出し


「おばちゃん、ダンジョンで食べられる肉も結構確保してるけど幾つか持って帰る?」



「おや、いいのかい?結構危ない思いをして仕入れてるみたいだけど。」


ダンジョンでの出来事を色々と話した後なので


少し遠慮されてしまった。


「大丈夫だよ、俺一人じゃ食べきれないしさ。それに昨日また乱獲してきたから沢山あるんだ。」


倉庫からバケツいっぱいになったコウモリの肉を持ち出し、おばちゃんに見せる。


「ダンジョン産の肉ってさ、なぜか傷まないんだよ。だから沢山あっても悪いものじゃないんだ。」


倉庫を覗き込んだおばちゃんの頬が、僅かにピクピクしていた。



岡田のおばちゃんと別れ、本日も三層へ進む。


「やっぱり明るい時間がいいな、暗い森は怖いし!」


昨夜と同じく樹洞を探すが、今回はなかなか見つからない。


「おかしいな?夜中はいっぱいあったのに。」


大樹に背を預けてみるが、カリカリという音はしっかり聞こえていた。


考えられるのは


全て、あるいは一部のモンスターが時間帯別で行動している事


「ふむ、しかしそうなると」


この樹洞の無い木々からモンスターを追い出す方法がある


ということになる。



「よし、やってみるか!」


ツルハシを思い切り振りかぶり、幹に叩きつけた。


大樹には簡単に穴が開き、中からウサギが飛び出てきた。


「そっかー、おまえだったのか。」


そう呟き終るとほぼ同時に、奴が背後の草を掻き分けて出てきた。


オオトカゲだ


「そういう仕組みなのね、今度は逃がさないからな!」


レベル:6 HP:75 技能:鑑定 幸運(微)


コウモリ狩りで上がったレベルを確認し、ウサギの前に出る。


「ははっ、臆病トカゲめ!かかってこいよ!」



オオトカゲがこちらを威嚇するように、シャーッと音を出している。


「さぁて、ちょうどいい実験体が来たわけだ。レベルでどれだけ基礎能力が上がるかわかるな!」


オオトカゲに向かってツルハシを振り上げ、飛び掛る。


オオトカゲは回避しようとするが、以前のように素早くは無かった。


ツルハシがオオトカゲの硬そうな鱗に守られた頭部を難なく貫く


「あ、え?」


ドサッと音をたててオオトカゲが倒れ、消えていく。


「これがレベルの力?いや、まだわからないか。」



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