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海神王

白い塔の周りをぐるりと調べてみたが、特に危険はなさそうだ。


しかし、ガーゴイルが警戒するほどの難易度を誇るダンジョンだ。


塔の中が安全とは限らない。


だが、調べない訳にもいかないのでこっそりと扉を開ける。


中は明るく、扉の隙間から見える範囲には何もいなかった。


そこで塔の中にゆっくりと入り、辺りを見回す。


やはり何もない。


そう、何もないのだ。


上へと上がるための階段も無い。


どういうことなのだろうか。


外観だけならば、20階はくだらないであろう白い塔。


それがたった一部屋のために存在するというのもおかしな話だ。





どれだけの時間が経っただろうか。


随分と長いこと調べて回ったが、特に変わった様子も無いので塔を後にした。


最後にもう一度、湖の周りを調べて周る。


そこで気付いた。


湖に何かがいる。


とてつもなく大きい何かが湖の底にいるのだ。


暫く使っていなかった鑑定の出番が来た。


海王神リヴァイアス


結果はこれだけだった。


詳細は何も出てこなかったのだ。


しかし不思議だ。


湖なのに海王神とは…。


一度家へと戻り、対策を考えることにした。


どう考えても危険な相手だ。


見たところ、あの湖には海王神とやらしか生息していないからだ。


餌が無ければ襲われる可能性も高くなる。





襲われる可能性が少なからずある以上は放って置くわけにもいかない。


だからこそ対策が必要なのだ。


だが、それも大して時間はかからなかった。


湖という限られたフィールドであれば、どんな強敵でも討伐することが出来る。


毒に耐性さえなければだが…。


単純に毒で攻める。


ただそれだけなのだが、逃げ場の無い湖だ。


その効果は考えずともわかる。


問題は毒が効くかどうかの問題だが、効かなければまた考えればいい。


手っ取り早く倒せるかもしれない手段があるのであれば試してみるべきだ。


しかし、思いついたところまではいいのだが毒物に関して俺は詳しくない。




自分が詳しくないのであれば、知っていそうな人に頼るべきだ。


調べた程度の知識で扱って良いものではない以上、それが一番だと思う。


あまり使うことも無かった携帯電話を取り出し、以前に万能薬の治験に協力してもらった病院の院長先生へと電話をかけた。


数コール後に電話がつながった。


「おお、井出さんですか。 お久しぶりですね、お元気でしたかのう」


「ええ、ご無沙汰してます。 今回は大量の毒物が必要で電話させていただきました」


「ふむ、穏やかではないのう。 しかし、毒物か…。 何に使うかお聞きしても?」


「ええ、ダンジョンの最下層に湖が出来たのですが。 その湖の中にやばそうな生物がいたんです。 その討伐に使えればと…」




「なるほどのう。 しかし、残念なことにこちらから直接売り渡すことは出来ないのです」


「やはりそうですか、物が物ですしね…。 政府の知り合いの方に掛け合って大丈夫であればご協力願えますか?」


「ええ、そのときは是非頼ってください」


最後にお礼を言って電話を切った。


そして次は、以前に政府関連で各地のダンジョンへと赴いた際に


俺と政府の間で動いてくれた陸自の澤城さんに電話だ。


「澤城さん、お久しぶりです。 少しダンジョンのことで相談しても良いでしょうか?」

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