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ドーナツ

ドロップアイテムを手に取り、鑑定をかける。


センチピードの溶解液:センチピードが捕食の際に獲物を溶かす液体


「こわっ!」


イモムシといい、ハチといいこのダンジョンの虫っぽい奴等はろくなのがいねーな!


今回の戦いも結構ギリギリな勝利だったので、レベル上げが最優先事項にする。


「しかし、なんでモンスターの名前が時々横文字になるんだろうな?」


もしかしたら、ダンジョンが発生しているのはここだけじゃないのかもしれないな。



その後も探索を続けるが、ウサギにもオオトカゲにも出会わなかった。


その場で座り込み天井を見上げると、星のように輝く青い点がいくつも見られた。


「ほんと、どうなってんだか。」


トンっと背中を大樹に預けると、またしてもカリカリと音が鳴っていた。


「お?」


見上げた先に見つけた樹洞にヘッドライトで照らしてみた。


光に照らされて映し出され、小型のコウモリが飛び出してきた。


出てきたときは確かに小型だったソレは、すぐに巨大化して


以前見たコウモリと全く同じ姿になったのだ。


「肉きたー!」



何度も倒した相手だけあって、難なく倒すことができたのだが


以前よりも少しだけ強く感じた。


体当たりにも回転が加わり、噛み付こうとしたり


攻撃方法も増えていた。


ふと気になり、周囲の木々を見渡すと


同じように樹洞がいくつも見られた。


「なるほど、この階層ではこうやってモンスターを探すのか。」


そうと解ればと、木々を回りコウモリ狩りを続けていく。


そのまま狩りを続け、家に帰ったとき


外は既に明るくなっていた。


「流石に眠い・・・」



「ん・・・」


「おや、起きたね。」


目を覚ますと、縁側に岡田のおばちゃんが座っていた。


「おはようございます?」


「はは、もうお昼の時間だよ。」


眠い目をこすり時計を見ると、針は二時を指していた。


「はは、ちょっと寝すぎたったみたいです。」


「いいよいいよ、こんな田舎だからね。大人になってからゆっくり過ごす人もたまにいるんだよ。」


「へぇー、やっぱり忙しい社会から抜け出したい人って多いのかな?」


「どうだろうね、この辺りは土地も安いからそっちが目当てかもね。」



「ところでおばちゃん、めずらしいね。どうしたの?」


すっかり忘れそうになっていたことを聞いてみる。


すると


「昨日もらったジャムをドーナツに付けて食べてみたんだ、そしたらとても美味しくてね。改めてお礼を言いに来たんだよ。」


ほら、とおばちゃんの横においてある紙袋を持ち上げて見せてくれた。


「あんまり美味しいものだからドーナツを揚げすぎてしまってね、食べきれないからお礼代わりに持ってきたんだよ。たべておくれ。」



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