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燃焼のブレスレット

少し前のことなのだが、とても懐かしい。


そうこうしていると、裏口から古谷さんが顔を出した。


「おまたせしました。 実は昨日から興奮して眠れなかったんですよ」


「あはは。 まずプレゼントの前に紹介しておきますね。 妹の幸子です」


「はじめまして、兄がお世話になっております」


「いえ、こちらこそお世話になっております。 新種の野菜や果物を使った料理も評判がいいんですよ」


美味しいもんね。


「さて、挨拶も終わったことですし…。 そろそろ渡しますかね」






「うわー! この子ですか! ふわふわですね…それに真っ白なのも良い!」


古谷さんはホワイトウルフを気に入ったようだ。


だけど…。


「古谷さん、ここに鶏がいます。 クリアチキンって言うんですけど、透明すぎてなかなか見つけられないんですよ…」


「おや、ここですか…。 おお!! 見えないけどわかります! もこもこしてて暖かいですね…」


「この二匹をプレゼントしようと思うのですが…どうですか?」


「本当ですか! 有難うございます! 大切に育てますね!」







「あとはこれですね。 俺が作った包丁と、ダンジョンで採ってきた鉱石です。 鉱石の方は石川さんの所にもあるので、詳しくはそちらで聞いてください。 包丁はミスリルという金属で出来ています。 浄化と硬化の魔石を使用しているので、常に清潔です! 注意点としては砥石を使えないことですかね」


「なるほど…。 重心も柄側になりますね。 とても使いやすそうです!」


ほぅ、とりあえず喜んでもらえたようだ。


「これから石川さんの所へ行くんですが、古谷さんも一緒に行きますか?」






古谷さんは少しやることがあるようなので、俺と幸子の二人で先に向かうこととなった。


「ねえ、お兄ちゃん。 石川さんってどんな人なの?」


「ん? ああ、良い人だよ。 ふんわりしてるっていうのかな…、会って見ればわかるよ」


ふーん、と幸子が呟くのを最後に黙々と歩く。


そして旅館に着くと、庭先が人で溢れかえっていた。


「なんかすごいことになってるな…」


「あ、井出さん! おはようございます!」


ちらりと見えたのか、石川さんが人垣を割ってでてきた。







「おはようございます。 今日はやけに人が多いですね…」


「そうなんですよ! セブンカラーズの噂を聞いた人達が一目見ようと集まってきちゃって…」


「あー、なるほど。 とりあえず害が無くてよかったです」


「そうですね。 ところで今日はお散歩ですか?」


「あー、いえ。 この間石川さんが体重を気にするような発言をしていたので…。 ちょっとこんな物を作ってみたんですよ」


と、取り出したのは昨夜作り出した燃焼のブレスレットだった。

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