オリハルコーン
チロチロと舌を出しては引っ込める真っ赤なオオトカゲ。
胴周りだけでも一メートルくらいはありそうだ。
そんなオオトカゲだが、気にすることなく倒していく。
ドロップ品は三種類あるようで、以下のような物が入手できた。
竜肉(中) : 中位ドラゴンの肉
竜酒 : 竜種が体内に保有する火炎用の酒
オオトカゲの尻尾 : 下処理されたオオトカゲの尻尾
オオトカゲの尻尾は久しぶりだが、他の二つは初ドロップだ。
これは古谷さんに良いお土産ができそうだ。
サラマンダーを大量に倒した後、豚が歩いているのを見かけた。
大きな木の下に群れているようだが、木の下が好きなのだろうか?
鑑定をかけてみると、その理由がすぐにわかった。
ナッツピッグ : 胡桃だけを食べる豚
つまり、あの木は胡桃の木と言うことだ。
鑑定してみても普通の胡桃の木だったので、ダンジョン外の物と同じと考えて良いだろう。
俺が近付くと豚が威嚇してきたので、さくりと倒させてもらった。
これだけ群れているくせに、豚を仕留めても気に留めた様子も無い。
薄情な豚である。
そして、豚からのドロップは肉だけだった。
ナッツミート : 炒った胡桃の様な匂いがする豚肉
生肉の状態でも、ほんのりと胡桃に似た香りがする。
豚肉を仕入れてからも辺りを調べたが、変わったことは見当たらない。
三階層の探索はこの辺で切り上げ、少し野菜を補充しておこう。
二階層に上がると、草原だった場所が金色に光っていた。
小麦の様な植物が一面に広がっていたのだ。
黄金米 : 白銀米と双璧をなす米界の異端者
異端者…、大丈夫なのだろうか…。
ザクザクと刈っていくが、手に持った藁も消えてドロップ品もない。
少しだけ残念な気分になったが、気を取り直して刈り続けていくと
ドスッと、背後から重い物が落ちる音がした。
黄金俵 : 黄金米の詰まった米俵
どうやら、一定の量を刈るとドロップする仕組みのようだ。
お米ならいくらあっても困らないので、調子に乗って収穫を続ける。
そして、五つほどの黄金俵が手に入ったときだった。
キンッと音がして、振るっていたナイフを弾かれたのだ。
オリハルコーン : 金色に輝くトウモロコシ
その正体がこいつだった。
黄金米に隠れる程に背は低いが、その茎には黄金に輝く立派なトウモロコシが成っていた。
茎や葉の部分は、ナイフを弾くほど硬いくせに
トウモロコシは、手でも簡単に収穫できた。
その後もいくつか見つけたので、しっかりと収穫してから家に戻った。
家に帰った俺は、黄金米を炊いていた。
家のキッチンも久しぶりに使った気がする。
一時間ほどの時間をかけて炊き上がった黄金米を見て、少し感動してしまった。
ふっくらと炊けていたこともそうだが、光っていたのだ。
金色に光っている黄金米は、それはもう美味であった。
主食としても勿論のこと、おかずとして出してもメインを張れる。
そんな美味しさだった。