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ダンジョンのルールと世界のルールの両方を詳しく聞こうとしたが


ガーゴイルには断られてしまった。


なんでも、知ったところで俺には意味が無いそうだ。


気にはなるが、教えてもらえないなら仕方がないだろう。


「魔道具はここで作っていくか?」


と、ガーゴイルが聞いてきたので頷いて返事を返す。


「ああ、頼むよ。 作り方を教えてもらえたら家でも作れそうだしな」


「そうだな、魔道具はどこでも作れる。 鍛冶と違って工房はいらないからな」


魔石も沢山あるし、これは面白くなりそうだ。





「作り方は簡単だ。 作りたい形を頭の中でイメージして、素材に触れてやればいい」


「それならすぐ出来るな。 少しやってみる」


ポーチから取り出したのは、ダンジョンで掘り出したミスリルの鉱石だ。


「待て、そのままでは不純物が多くて碌な物が出来ない。 まずはミスリルと、そうでない鉱石を分けるイメージでやってみろ」


なるほど、鉱石のままでは不純物が混じっているのも頷ける。


インゴットをイメージして触れると、白銀の塊と褐色の鉱石に分けることが出来た。


「ふむ、出来たようだな。 そっちの白銀の鉱石がミスリルだ。 もう一つの鉱石はダンジョンにでも転がしておけ、じきに消える」





どうやら、ダンジョンの景色が変わるときに一緒に回収されるようだ。


俺はミスリルを手で触り、イメージを固める。


イメージするのは、鋭く切れる包丁だ。


包丁だけでなく、刀なんかの知識には疎いので


イメージする内容はざっくりした物ではあったが、出来上がりは悪くない。


「ふむ、よく出来ている。 それでは次に移ろう、魔石を出せ」


言われて魔石を出した。


「これは調理道具としてイメージしたようだが、このままでは少し脆い。 茶色と、白色の魔石がいいだろう」


取り出した魔石から選んだ二つを残してポーチへ仕舞った。





「この二つを選んだ理由を聞いてもいいか?」


俺がそう聞くと、ガーゴイルが答えた。


「白色は浄化、茶色は硬化の効果があるからだ。 ミスリルだけでは硬度に問題があるからな」


そういうことだったのか。


「他の色の効果も聞いていいか?」


「主の手持ちであればいいだろう。 魔石は種類が多すぎて説明するのは面倒だ」


ガーゴイルの説明によると、以下のようになる。


魔石(黒)魔道具に取り付けると腐食の効果を付与できる。


魔石(白)魔道具に取り付けると浄化の効果を付与できる。


魔石(茶)魔道具に取り付けると硬化の硬化を付与できる。





しかし、青と赤の魔石は少し違う。


「幾つか種類がある内の特殊な物だ。 魔法を放つ魔道具の作成に使われる。 主が我に使った白虎の杖も雷を放つ効果を付与されている物だ」


と言うことらしい。


「そろそろ魔石を取り付けて効果を与えてみろ。 こちらもイメージしながら付与したい物に押し付けてやればいい」


イメージ…、研がずとも変わらない強度と切れ味を持つ包丁。


常に清潔で、見た目も綺麗な包丁。


古谷さんへのプレゼントなんだ、使い易くて綺麗で


そして珍しい鉱石で出来た包丁を作るんだ。


そうしてイメージして、包丁は出来上がった。


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