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聞きたくない

ガーゴイルの話を聞いていたのだが、気になることが出てきた。


「なあ、それだと今のそっちの世界は大変なことになっているんじゃないか?」


若返りのできなくなった長寿の世界が再び訪れたことになる。


「そうだとも、大変なことになっている。 その解消のために、我以外にも多くの者がこちらの世界にやってきているぞ」


これは初耳だ。


「ちょっと待ってくれ。 多くの者がって…、どこにそんなにいるんだ?」


そんなに沢山来ているのならば、既に俺の耳に入っていてもおかしくは無い情報だ。



「人間社会に溶け込んでいるに決まっているだろう。 それ以外にも未踏の地にも派遣されている」


どうやって、とは聞かないほうがいいだろう。


「それで、結局ダンジョン踏破か時間の経過でしか解決が出来ないのか…」


「そういう事になるな。 だが、ダンジョンが沈静化したとしたらこれからが大変だぞ」


まだ何か問題がるのだろうか…。


「戦争だよ。 資源が無限に湧き出るのだから、当然多くの血が流れる。 資源が豊かな我らの世界ですらそうだったのだから、資源が少ないこの世界ならば尚更だ」



確かに、この国はまだ戦争にはなっていないが


いくつかの国では戦争をしているところもある。


ダンジョンの有無に関係なく、だ。


そんな中に火種を放り込んだらどうなるかなんて、考えずとも分かることだ。


「それは確かにえらいことになるよな…」


「一つだけ教えておいてやろう。 国を守りたければ多くの者をダンジョンへ送り込め。 そしてレベルをあげるのだ」


「俺がレベルを上げた時にも感じたけど、やっぱり強くなるからか?」


「ああ、レベルを上げれば強靭な身体を手に入れることが出来る。 二十程まであげれば銃弾程度で傷を負うことは無くなるだろう」



どうやら俺は、とうの昔に人間をやめていたようだ。


「なあ、あんたの同僚達ってもしかして探索者として紛れ込んでたりするのか?」


だとすれば、俺が攻略する必要は無いのではないか?


「いや、我の同僚であったとしても多くの者は探索者としての活動は不可能だろう」


「なんでだ? あんたはここにいるじゃないか。 他の人達は強くないと言うことか?」


「そうだとも言えるし、違うともいえる。 こちらにも色々あるのだ」


色々ね…、雇用主とのあれやこれやだろう。



そんな話をしているときだった


ガーゴイルが恐ろしい顔を歪めたのだ。


そして、口を開き呟いた。


「厄介なことになった…」


「なあ、それって聞かないと不味いかな?」


できれば聞きたくない!


俺のスローライフはいつからこんな荒れたものになってしまったんだ!


「間違いなく聞いて置いた方がいい話ではある。 だが、貴様が動かずとも事態が悪い方向に転ぶことは無いと思える。 あくまで現状では、の話ではあるがな」


「はあ、やっぱりか…。 いいよ、教えてくれ…」


「我の世界から連絡が入ってな、幾つかのダンジョンが消失したらしい。 恐らくだが、こちらの世界に新しいダンジョンとして出現した」


聞くんじゃなかった…。


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