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ナノマシン

「ドロップモンスターか。 それならドロップしたモンスターがワラワラ居るってことか?」


「いや、それは違うぞ。 あの樹海のモンスター達は寿命が決まっているんだ。 スライムからドロップし、モンスターからスライムがドロップする。 モンスターが生成されるシステムを停止させている今ならば、モンスターは一匹も居ないはずだ」


「というと、残りは愚者のダンジョンだけってことか?」


「ふむ、我はその名を知らぬが…。 だが、うむ。 残りの一つのダンジョンということでいいのだな?」


「ああ、想像している通りであってるぞ。 あっちは細菌の問題もあったから少し気に掛かるんだ…」


「あの細菌か…。 あのダンジョンを作った奴は我の知人でな。 偉材の半分以上を掛けてあのダンジョンを作ったのだ。 ダンジョンが突然消えた時なんかはもう…それは見ていられなかったな…」


「ということは、あのダンジョンも本来の姿が弄られてしまったということなのか?」


「そうなるな。 あのダンジョンの本来の姿はな、病院なんだよ」



「病院?」


「ああ、病院だ。 我等が住んでいる世界はな、この世界よりもずっと進んでいるのだ」


「ダンジョンをアトラクションって言うくらいだからな…」


「当然、医療も科学も発達してる。 それにあわせて、寿命も大幅に伸びていったんだ」


「それって大丈夫なのか? この日本でも少子高齢化が問題視されているが、そっちの世界では上手い事やってるのか?」


「確かに、一定の年齢以上の者を集めて総合したとしたらそうなるだろうな。 だが産まれる子が毎年同じだとすれば、年輩の者が増えていくのは当然だろう? 減らないのだから」



「なるほどな…。 まあ、問題がなく周っているのならいいことじゃないのか?」


「そうだな。 問題がなければ…な」


それからガーゴイルは少しだけ溜めて言葉を続けた。


「年をとった者はな、生きてこそいるものの寝たきりの者が多かったのだ。 筋肉は落ち骨は弱る一方で、たまの外出は病院ばかりだ。 薬物のみで生かされたゾンビの様なものだな」


「それはまた…」


「だがな、あのダンジョンが作られたことでその問題はすっかりなくなったのだよ」



「そんなに凄いダンジョンだったのか?」


「凄い物だったぞ。 アトラクションを活用し、新たなる光を当てた画期的な物だった。 あのダンジョンにいる細菌なのだがな、あれは本来ならば治療用ナノマシンだったのだ」


「ナノマシンっていうと小さいあれか?」


「その小さいあれであっていると思うぞ。 そのナノマシンが凄い代物でな、古い細胞を削りとるんだ」


「なんか痛そうだな…」


「いや、痛みはないそうだ。 そして、その削り取った細胞に成り代わることが出来ると聞いている」


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