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安全装置

「資源って…。 鉱石が出るとか?」


「まあ、そうだな。 だが、鉱石だけではない。 食材も取れるぞ」


ほう…。


このでっかいダンジョンが消えないというのは納得いかないが


それでも、食材に困ることがなくなると考えれば悪くはない。


「しかし、魔物は生まれないんだろ? なら、どこから食材が取れるんだ?」


草木などから手に入れるということも考えてはいる。


だが…。


「当然、動物からだ。 魔物は生まれないが、動物は生まれる。 そして、ダンジョンとしての本来の機能も無くなることはない」


それはつまり、ダンジョンで生まれる野生動物から魔物の食材がドロップするようになる。


「理解はした。 けどさ、それなら魔物を出す必要ないんじゃないか?」


俺の質問に対し、ガーゴイルは呆れを含めた視線で答えた。


「しっかり話を聞いていたのか? 先に言ったであろう。 本来のダンジョンとは、財源施設であり娯楽施設だと」


財源施設なんて言ってたっけ…。


でも、運営側もプレイヤー側も楽しめる施設とは言っていた気がする。


「なるほど、理解した」


そうなると、また気になることが出てくる。


「なあ、ダンジョンマスターってのには会えないのか?」


四回目のリセット時に会えると、前にクリスが言っていた。


「ああ、目の前にいるではないか」


「と、いいますと」


「我がダンジョンマスターだ」


その言葉に衝撃を受けた。


「は…ははは…」


「おい! 戻ってこんか! まだ終わったわけではないのだぞ!」


どういうことなのだろうか。


「何でだ? 暫くしたら魔物は生まれなくなって資源が採れるんだろ?」


「そうだ。 だが、その一月というのが厄介なのだ」


「今まで何ヶ月かけたと思ってるんだ。 今更一ヶ月くらい大した事ないじゃないか」


「タイムラグがあるといっただろう。 この一月というのはな、コントロールルームの指示が全てのダンジョンに届くまでの時間なのだ」


何かもっと簡単に考えてた…。


「それって、既に安全になったダンジョンもあるということか?」


ガーゴイルの言い方は、近場から順に安全になるような話方だった。


「そう言っている。 このダンジョンは既に安全だが、他のダンジョンはまだだ」


「それは大丈夫なのか? 今の話だと安全なのはここだけ何だろ? けどさ、日本にはまだ幾つかダンジョンがあるぞ?」


数ヶ月かけて出来なかったことを


たった一ヶ月で出来るとはとても思えない。


「それはな、何者かによってプロテクトがかかっているからだ」


「ダンジョンの安全装置を削ったっていう人のこと?」


「そうだ。 その何者かが、コントロールルームの指示を妨害しているのだ」


何それ面倒くさい!


「小僧にはそのプロテクトを解除して欲しいのだ」


「解除って言われてもさ、どうやって?」


「ここと同じように、踏破とリセットを繰り返せば良い」


俺の平和は当分来ないようだ。

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