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コントロールルーム

「何をしていた、とは?」


「質問に質問で返すな、小僧。 我に向かい雷を放ってから、何をしていたのだと聞いている」


最初からそういえばいいのに…。


「レベル上げをしていたんだ。 正直、今でもお前に勝てる自信はない。 だけど、戦わなければ先に進めないんだろ?」


だが、帰ってきた返答は予想していたものとは違う答えだった。


「それは違うぞ。 我を倒すのならば、聖剣の一本でも持ってこなければ無理だろうな。 人に我が倒せるのなら、だが」


なら、ここで何をしているのか。


そう質問をしようとしたところで、奴が再度喋りだした。





「聞きたいことがあるだろう。 わかるとも、何が言いたいのかくらいはな」


「だったら教えてくれないか? どうしてここにいるんだ?」


ふむ、と一息おいてからガーゴイルは喋りだした。


「小僧がこのダンジョンに入ってこなかった原因が我であるならば、まずはそれを謝罪しよう」


そして


「我の目的は知らせることにある」


「知らせること?」


「ああ、そうだ。 既に知っているとは思うが、ダンジョンという施設。 それは、こことは異なる世界にあったものだ」


「ダンジョンって施設だったのか」


「ああ、運営側もプレイヤー側も楽しめる施設だ。 命が奪われることなど、万が一にも考えられない施設だったんだ」



「そんなはずはないだろう! 多くの被害が出ているじゃないか!」


そうだ、この世界の命が多く散っていった。


それは今も進行形で行われている。


「そうだろう、だが説明を聞け。 まずは、この世界にダンジョンが現れた原因だがな。 それがまだわかっていないんだ」


わかってない?


「ふざけるな! 自分達が作った施設なんだろう? なんで知らないんだよ!」


床にこんな大穴あけやがって!!


「こればかりはわからない。 そもそもだ、異世界なんて物があったことすら知らなかったのだ」


どういうことだ?


「それは、ダンジョンがこちらに現れて初めて知ったということか?」



「そういうことだ。 そして、こちらの世界に現れたダンジョンは何者かの手によって改変されていた。 安全装置と呼ばれるものが、システムから綺麗に削ぎ落とされていたのだ」


なんだそれは…


「そんな…それじゃ…」


「ああ、我らも知り得ぬところで事が起きている。 本当ならば、もっとはやく知らせることが出来たはずなのだがな」


そういうと、ガーゴイルはこちらをジロリと睨んだ。


「仕方がないじゃないか! ダンジョンがリセットされた後に、化物みたいな奴がいたら普通は入ってこないだろ!」


「む、確かに。 だが、化物とは人聞きが悪いぞ。 我は悪魔だ、ガーゴイルくらいは知っているだろう」


「それで、知らせるとは? それだけなのか?」


「いや、違うぞ。 ダンジョンには、コントロールルームと呼ばれる場所がある。 そこでだ、そのコントロールルームで色々といじって来たのだ」


「いじって来た?」


「そうだ、故にこれ以降はこの世界で魔物は生まれない」


え?


「ちょっと待て、魔物が生まれないだって?」


「ああ、そうだ。 しかし、タイムラグというものも存在する。 あと一月程で効果が現れるだろう」


タイムラグ長くないか?


「魔物は生まれない、だがな。 ダンジョンはなくならない」


え、この大穴なくならないの?


「元々、ダンジョンとは攻略後も消えることはない。 ならばどうなるのか、それはだな」


そして、ガーゴイルは少し溜めて言った。


「資源を製造する施設に変わるのだ」


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