表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/170

ヒラトリの実

ヒラトリの実:ヒラトリの樹に生る甘い木の実


「ふむ?」


今まで植物一本すら存在しない階層だった


ここにきてようやく食べられる植物が出てきたということか。


足元に転がっているので、そのまま視線を上に向けると


そこには同じような木の実が沢山生っていた。


「毒は無さそうだし、うん。ちょっと食べてみよう。」


土を払い、皮を剥き齧りつく。


「んー!甘い!」


落ちていたのは1つだけだったので、木を蹴りまくって木の実を落としていく。



片手に収まるサイズのものを20個ほどポーチに仕舞い時計を見る。


時刻は21:28を指している、体感時間よりも長い間探索をしていたようだ。


本日の探索はここで終わりにしよう


家に戻りヒラトリの実を水洗いし、皮を剥いて鍋に並べたら


砂糖をまぶし、強火にしてかき混ぜる。


ある程度水分が出てきたら、今度は実を潰すようにヘラできっていく。


そこにダンジョン産の蜂蜜をたっぷり使い、煮詰らないようにまた混ぜる


甘い匂いが充満して、匂いだけでも幸せな気分だ。



隣にもう一つ鍋を用意し、瓶と蓋、スプーンを煮沸殺菌する。


取り出した後に少し冷まし、綺麗に水気を取ってから瓶に詰めていく。


しっかりと蓋を閉めたのを確認し、常温になるまで待つのだが


我慢できなくてトーストを焼いてしまった。


少量を掬い、トーストに塗って食べてみた。


「おぉ!これは美味いぞ!」


ヒラトリの実だけで食べた時には感じなかった酸味が


ほんの少しだけ感じることが出来た。


だが、少々作りすぎたようだ。


テーブルの上を見つめると、十本の瓶にジャムが詰められていた。



トーストを堪能し、常温になった瓶を冷蔵庫に入れて今日は眠る事にした。




「んー、よくねた!」


寝起きで固まった身体を、軽く身体をほぐした後


昨夜冷蔵庫にしまった瓶を二本取り出した。


「いくら美味くても一人じゃ食べきれないからな。」


今日はダンジョンをお休みし、おすそ分けに行く。


家から百メートルほど歩き、オレンジ色の屋根の家が見えてくると


「おはようございまーす!三井のおじさん、いらっしゃいますかー?」


元気よく挨拶をする。



「あれ、さとし君じゃないかい。何か困った事でもあったのかね?」


おじさんではなく、少し痩せ型のお婆ちゃんが出てきた。


「あ、おばちゃん!ジャムを作ってみたんだ。」


はいっと瓶を渡すと


「自信作なんだ、食べてみてくれないかな?」


と続ける。


「ほうほう、ありがたく頂くよ。」


おばちゃんは笑顔で受け取ってくれたので、こちらも自然と嬉しくなってしまう。


「それじゃ!次は岡田のおばちゃんに届けてくるね!」


今度感想聞かせてね、と続けて俺は走り去った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ