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ワンダーオイル

上下のバンズから覗く、チーズと絡まる肉汁溢れるパテ


巨大ではあるが、俺は見たことがあるのだ。


そして、鑑定をかけて納得した。


ストロングバーガー:廃棄されたチーズバーガーが変異した者


そういうことだ。


どの様な経緯があったのかは知らないが


恐ろしいことになってしまった。


このモンスターが生まれたということは


生物に限らないと言う事だろう。


これも後で報告しなくてはいけないな。


色々と考えていたが、一向に襲ってくる気配が無い。


どうなっているんだ?



暫く観察していると、ストロングバーガーの裏側の通路からモンスターが出てきた。


ピクリと、ほんの少しだけ動いたかと思うと


辺りに香辛料の匂いが漂い始めた。


匂いの元は間違えることは無い、ストロングバーガーだ。


その匂いを辿って、進んでいくモンスターに向かっていくモンスター。


あと少し、というところでモンスターは上下に別れてしまった。


パテが細長い鞭のように伸びて、それに斬られたのだ。


あまり速くは無かったが、生まれたばかりのモンスターでは回避できなかったのだろう。



近付くと危ないと言うことがわかったので


観察しながら策を練る。


そして気付いた。


朱雀の杖で丸焼きにしてしまえばいいと。


だが、もう少し観察だ。


どの様なタイプのモンスターが出現するのか確認しておかないといけないからな。


最初のモンスターの登場から二時間。


どうやらこのダンジョンでは、十五分に一匹のペースでモンスターが放り込まれるようだ。


その間にも、大気中の細菌は俺に群がっていたが


観察しているうちに消滅していた。



様々なモンスターが出てきたが


共通して言えることは、その全てが二足歩行だった。


豚鼻のオークや、小鬼のゴブリン


そして、一番見たくなかったゾンビの三種類だ。


だが、モンスター同士での争いでは


アイテムがドロップしないことが確認できた。


そろそろいいだろう。


たっぷりと時間をかけて観察したので


朱雀の杖をストロングバーガーに向けた。


あっという間に焼けて炭になったが


茶色の粉が詰まった瓶が転がった。


マジックミート:肉を粉末状にしたもの

        水と合わせて捏ねると肉になる


なんというか…うん。




味の方は少し気になるな…。


俺は食いたくないけど。


そしてもう一つ


ワンダーオイル:香ばしい不思議な油


これは何だろうか…


気になって蓋を開けてみると


大蒜と鷹の爪を炒めたような 


それでいて、どこか甘さを感じる香りだ。


一人でクンクンしていると、入り口から防護服を着た探索者が入ってきた。


「よっし! これでモンスターなんか怖くないぜ!」


何だコイツは…。


まあ、悪質なモンスターは退治したし


後は勝手に頑張ってもらいましょう。


関わりあうと面倒ごとしか起きないと言うのは


ここ数ヶ月で、嫌というほど味わった。


こういう面倒臭そうなのは放っておきましょう。


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