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オークション

そういえば伊崎さんも回復してから徐々に若々しくなっていったが


あれも同じ現象だったのだろうか。


「お粥できましたよー! すぐ持っていきますね!」


鏡を見ながら考えていると、台所の方から百鬼さんの声が飛んできた。


手早く顔を洗い、布団へと戻ると


数分後に百鬼さんが土鍋を持って現れた。


すかさず石川さんが折り畳んだタオルを畳の上に置き、更にその上に百鬼さんが土鍋を置いた。


百鬼さんは土鍋を置くと、すぐに台所へとお椀とお玉を取りに戻った。



「ありがとうございます!」


風邪は治っているが、折角の心遣いを無下にすることもないので有り難く頂くことにした。


蓋を開けると、土鍋の中には卵粥がたっぷりと入っていた。


あつあつのお粥を、熱に気を付けながらハフハフと食べてみると仄かに醤油の風味がした。


「とても美味しいです!」


日を重ねる毎に気温も下がってきているので、冷えた体にお粥の熱が染み渡る。


「折角なので三人で食べましょう。」


俺が食べていると、石川さんが土鍋を見つめていたので皆で食べることを提案してみた。



最初こそ抵抗を見せた石川さんもすぐに折れ、百鬼さんはこうなることは予想済みだったと笑っていた。


どうりで量が多かったわけだ。


食べながら三十分ほど世間話を交わし、夕食の準備があるとのことで二人は旅館へと帰って行った。


レベル:79  HP:780/780 技能:鑑定 幸運(微) 瞬間移動 鬼人化


うん、しっかりとレベルも上がっているしHPも回復している。


先ほど、今日一日は必ず休養をとる事と石川さんと百鬼さんに念押しされたので


ドラゴンと戦うのは明日になるだろう。



パソコンを起動させ、ダンジョンの情報を集めようとした時


検索ページのトップに、アクセサリーの写真が大きく映し出されていた。


ネックレスのようだが、錆だらけで元の金属を把握できない。


だが、そのネックレスに埋め込まれている宝石は見覚えがある。


あれは間違いなく魔石だ。


俺が持っている光と闇とは別の色だが、まず間違いないだろう。


その予想を確信へと変えたのは、写真の下に書いてあった記事だった。


内容を纏めると、ダンジョンから生還した人物が持ち帰ったものだと書かれていた。



その生還者は、戻ってすぐにこのアクセサリーを宝飾店で鑑定してもらい


買取はしてもらわずに提示された金額を最低値としてオークションにかけたのだ。


最終的には四十億までも価格が上がり、落札した人は効果を調べるために研究を始めたのだとか。


俺がみれば一発なのだが、見ず知らずの人のためにわざわざ出向くのも嫌なので


無事に正しい結果がでることを楽しみにしておく。


いい感じに探索者のモチベーションが上がったこの記事だが


その一方では、探索中に亡くなる方も増加の傾向にあるという。


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