再戦
朝、目覚めるとチョーカーが消えていた。
指輪と腕輪がそのままなのは使用回数の問題なのだろうか。
だが、これで納得がいった。
最初に拾ったものは、鑑定の技能を取得することが出来るネックレスだったに違いない。
今後はしっかり鑑定してから装着する事を心がけなければならない。
そんなことを考えながら、お昼過ぎまでは縁側でゴロゴロしていた。
「たまには休日も必要だもんな、うん!」
だが、今後の事も考えていかなければならない。
今後の事とは、ダンジョンのことである。
階層もいくつあるのか分からない
一度走破してしまった階層はそのままモンスターが出なくなってしまうのか等
色々考えてしまうのである。
特に肉
「うん、肉は大事だ。あれは定期的に入手せねばならないものなのだ。」
ついには声に出してしまう始末。
現在、入手できる肉は二種類
しかし、今のところ一つは一階層のコウモリだった。
それがリポップされなくなったのだから、へたに二階層をクリアしていいものか悩んでしまう。
現在、俺は蜂の巣部屋に来ている。
今回の探索で、ウサギ狩りを行った結果
レベルが上がったのだ。
レベル:4 HP:50 技能:鑑定 幸運(微)
「うーん、ステータスがこれだけだと実感が湧かないよな・・・」
いわゆる攻撃力や防御力といった項目が出てこないので
HPくらいしか目でわかる変化がない。
それが不安にさせてしまう。
「ま、ダメなら逃げるか。」
呟いていると
ブーン ブーンと羽音が近づいてきた。
「コウモリと同じ要領でっと」
タイミングをあわせ、振りぬく。
ただ全力で、思いっきりだ。
ガンッと防火扉を殴るような音が響く。
巨大なハチは地面に転がってもがいていた。
起き上がる前に飛び掛り、反撃に注意しながら止めを刺すと
光となって消えていった。
「ふぅ、なるほどね」
今回は一匹だけだったから余裕が持てた
だが、二匹以上いた場合、この戦い方で通用するのかも調べてみないといけない。
三階層に下りてから何かあっては遅いのだ。
「とりあえず帰るか」
さて、先程の討伐の際に発生した防火扉を殴ったような音について考えてみよう。
俺の力はそれほど強くはない、強くはなかったはずなのだ。
ハチを落としたのは柄の部分だった。
そしてレベルの上昇
ここまでこれば嫌でもわかる、間違いなく身体能力が向上している。
目に見えて分かるのは歩く早さだろう。
力に関しても、ツルハシの柄に握りやすいグリップが出来る程度には強くなっている。
単純に重いものを背負い歩き回っていたから向上したのかもしれないが
これから必要となってくるレベルあげも楽しみになってきた。




