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逆転  作者: Nonameの名前
部活とバナナ、そしてゴリラ
9/21

−02

 翌日昼休みになり、いつもどおりABC核弾頭で楽しく話していると、


「ちょっと……いいかな?」


 と、綺麗なブスが話しかけてきた。


「何か用かな?」


 初めて見る子だ。


 逆ナンですかね。


 図書室にいつもいる美少女、って感じだ。


「やっぱり覚えてないんだ。私、馬場(ばんば)奈々(なな)っていうの」


 バナナちゃんか。


「初めまして、じゃないの?俺は月村結鷹だ」


「結鷹は覚えてないんだね。私は架那ちゃんにも会ったことがあるんだよ」


 架那のことも知ってるのか。


 なんで俺は覚えてないんだ?


「俺は覚えてるぞ!結鷹の彼女だ!」


「俺もそうだと思ってたぞ!」


「最近は見てなかったな!」


 幹部が知っているってことは事実なんだな。


「……って彼女!?」


 バナナちゃんが顔を赤くしてうつむく。


「え、まじか?」


「そうだ」


「なんで覚えてないんだ」


「爆発しろ」


 お前彼女いるだろ、とか突っ込む余裕はない。


 キーンコーンカーンコーン、と予鈴がなる。


「私、次美術で教室移動あるからもう行くね」


「お、おう」


 バナナちゃんが行ってしまった。


 幸か不幸か、初めて逆転以外に謎を見つけたな。


 俺は授業をまともに聞くことも出来ずに放課後を迎えた。


「とりあえず部活行くか……」


 俺は教室を出て部室に向かった。


「結鷹ー!」


 名前を呼ばれて振り向くと、バナナちゃんだった。


「バナナちゃんか、こんな場所に何の用だ?」


「部活だよ。バナナちゃんって呼び方、わたしのこと思い出したの?」


「いや?バナナみたいな名前だと思ってそう呼んでみただけだよ」


「そっか。付き合い始めてからは奈々って呼んでくれたんだよ?」


「付き合い始めた、とかそこらへんの経緯を聞かせてほしいんだが」


「うーん、長くなっちゃうな。今日は部活自主参加じゃないんだよね」


「自主参加?もしかして部活ってオタ研か?」


 オタ研とはオタク心理研究部の略称のことだ。


「え?知ってるの?というかまさか新入部員って結鷹!?」


「そうだ。あのオタク仲間の手助けをしようと思ってな」


「そっかー。『男子の新入部員が入った』って怜からメールきてたからドキドキしてたんだ。結鷹なら安心だね」


「随分と俺のことを信頼してくれてるんだな」


「彼氏だったからね」


 ちょっと寂しそうな顔をするバナナちゃん。


 何か言ってあげようと思ったが、部室に着いた。


「こんにちはー」


 部室に入って挨拶をする。


 既に三人とも部室に来てて楽しそうに喋っている。


 それぞれの言葉で挨拶をしてくれた。


「二人は知り合いなの?」


 怜が一緒に入ってきた俺たちを見てそう言う。


「知り合いだったね」


 含みのある言い方をしてみる。


「ちょっとワケ有りなんだよね、今日は部活休ませてもらえないかな?」


 バナナちゃんがそう言い出す。


「部活後でもいいんじゃない?」


「うーん、早めに話しておきたいし……」


「用事があるなら休んでいいのよ。今日は先生来れないみたいだし」


 怜がそう言ってくれた。


「ありがとうございます」


 これは、部活仲間としてではなく、部長に対する部員からの敬意だね。


「はーい。また明日ね」


「うん!また明日!」


「じゃあ失礼しましたー」


 凛と悠香もバイバーイ、と言ってくれた。


 俺はバナナちゃんと学校を出て、駅前のファミレスに入った。

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