−06
碧の案内で京都を満喫できた。
普段の観光じゃなくて、京都の住人の目線で歩いた、って感じで新鮮だった。
まぁ満喫したのはよかったんだが、
碧が帰ってしまった後暇で、
結局ホテルに篭ってゲームして遊んだ。
そして今日からまた学校だ。
というかもう学校にいるんだが。
「結鷹!俺とヒーローごっこしようぜ!」
やだ。
「いや、俺とおままごとだ!」
やだ。
「だめだ!俺と腕相撲バトルだぜ!」
やだ。
「「どうする!」」
なんだこいつらは、
まぁいつも通りなんだが。
「よし、公平に何もしないでおこう」
ははは、勝った。
「むむむ、それにしても、なんなんだこの女子集団は!」
そうなんだよ隊員A。なんでこんなにここに女子が集まってるんだよ。
理由は知ってるけどね。こんなブサイク集団、逆転したらイケメン集団に違いない。
スクールアイドルとかやってみようかな、って思うわ。
「そういえばお前らはどんな女子が好きなんだ?」
「そりゃもちろんあやぽんだ!」
「俺はなげっちだ!」
「俺はぷんぷんちゃんだ!」
全員二次元に恋してるんだな。さすがだ。
まぁ勝手に二次元だということにしてるが、
俺のこいつらとの半年の付き合いが絶対にそうだと言っている。
京都旅行中に知ったんだが、二次元は逆転してないんだ。
だからここからが本番だ。
「じゃあやっぱり三次元ならその子たちに似てる子がいいのか?」
「そうだな、似てるに越したことはない」
「俺だってそうだ!」
「俺は逆だな。やっぱり三次元の中での美人がいいよな」
一人アマチュアがいたな。
でも三分の二が逆転に影響されてないとは、優秀だ。
「よし、じゃあ理解ある隊員A、Bは組織の隊員から幹部まで階級をあげよう」
「「おおー!」」
「なんだと……羨ましい」
「じゃあ早速第一の任務を与える。焼きそばパンとメロンパンを女にこびるんだ」
「そんなレベルの高いこと俺たちにできるとでも!?」
「無理だ……俺は生まれて一度も女と話したことはねえ」
まじこいつらレベル高いわ。
てか女と話したことないって、お母さんいないのか。それは大変だったろうな。
「大丈夫だ。できるかぎりブスなやつに話しかけるんだ」
「わかった……それならできるかもしれない」
幹部Bも神妙に頷く。
「ねえ、僕ちゃんたちにやきそばパンとメロンパンきゅれないかな?」
ニヤニヤとした幹部A、Bが超綺麗なブスに話しかける。
噛んだし。言い方きもいし。
「は……はい!」
超綺麗なブスが恍惚とした表情で返事して購買へと駆け出した。
他の女子もキャーキャーと騒いでいる。
どんだけ人いるんだ。50人はいるよな。
ブスが帰ってきたみたいだ。
「結鷹ボス!任務完了しました!」
「よくやった。隊員Cも含め、四人でこれを平らげようか」
俺の机の上には、十数個のパンがある。
やきそばパンとメロンパンって購買でも人気なパンなのに、なんでこんなあるんだ。
これがイケメンのご威光か。
「「いただきます!!」」
俺たちはパンだけに腹をパンパンにして昼休みを終えた。
余ったパンは人気獲得のために隊員Cの手により野次馬女子へと投げられた。
すごい騒ぎとなって先生が駆けつけたのは言うまでもないが、
俺たちはイケメンのご威光によって免責排除だ。
そして放課後となる。
俺はABCを引き連れて上級生のフロアへと歩を進めた。
朝7時に毎日更新できたらいいな、って思います。