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逆転  作者: Nonameの名前
逆転
2/21

−02

 俺は今、駅前の広場のカップルが待ち合わせるような場所に座っている。


 お天気お姉さんの言ったとおり雲ひとつない青空が広がってる。


 お天気お姉さん、とか言ったけどお天気おばさんって感じだった。


 太ったメガネのおばさんが綺麗な声でお天気伝えてたね。


 また脱線しちゃったな。


 そう、学校から逃げたところまでは良かったんだが、


 ポケットに入れてた携帯以外に何も持たずに逃げ出したから、


 電車に乗れずに途方に暮れていた。


 学校に戻る訳にもいかないし当分このままだな。


 思えば最近おかしい事は色々あった。


 昨日まで1週間インフルエンザで学校を休んでいたんだが、


 普段は素っ気ない妹の架那が、


 ヤケに楽しそうに世話してくれた。


 それに今日は色んな人にチラチラ見られる。


 ズボンのチャックが開いてるか、


 鳥のフンでも頭についてるかと思って、


 何度も確認したが何も異常はない。


 そしてあの恐怖の文化祭マジックだ。


 俺に告白してきた豚子ちゃんもだが、


 周りの雰囲気もおかしかった。


 普通あんな子の文化祭マジックであんな風になるか?


 それとも豚子ちゃんはいじめられていて、


 罰ゲームで俺に告白してきたとか……。


 そんな雰囲気じゃなかったよな。


 豚子ちゃんのあの素振りは、どう考えてもぶりっ子キャラかなんかだった。


 あんな風に、(普通の子に)上目遣いで恥ずかしがって告白されたら、俺なんかイチコロだ。


 キュンキュンラブラブハッピーカップルになってしまうこと間違いなしだ。


 それにしても何だったんだろう。


「あーもー!意味わからん!」


「何がわかんないの?」


 前から同じ制服を着た人がやってきた。


 顔を上げると、


 とんでもない美人がいた。


 金髪青眼の人形みたいな顔に、


 制服の上からでもわかるぼんきゅっぼん。


 なんて綺麗なんだ。


 こんな子うちの学校にいたんだな。


「君みたいな美人にはわからない話さ……」


 俺はため息をつく。


 今俺が欲しいのは、悩みを解決してくれる人なんだ。


「な、なんですって!?」


 美人ちゃんが顔を真っ赤にして叫ぶ。


 周りの人が一斉にこっちを向いた。


 その視線に気づいて恥ずかしそうにうつむく。


「ごめんごめん。怒ったなら謝るよ。でも本当に美人ちゃんには分からないんだ」


「だから何よ!馬鹿にしてるの?」


「馬鹿になんかしてないよ。本当に本当に美人ちゃんには分からないんだよ」


 俺がそう言うと、


 美人ちゃんが顔を真っ赤っかにして、


「Je suis une fille parfaite‼︎‼︎ Pourquoi m'appelez-vous une belle femme‼︎‼︎‼︎」


 と泣き叫んだ。


「は?」


 周りがこっちを見ようが御構いなしに、


 外国語でたぶん数々の暴言を俺に対して吐く。


 そういえばさっきから流暢に日本語話してたけど、


 この子は何人なんだろうか。


 とりあえず迷惑だ。


 俺は女の子の手を掴み、


 無理矢理近くの公園まで引っ張っていった。

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