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逆転  作者: Nonameの名前
逆転
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 今日は2015年9月10日、


 天気は快晴、気温は29°、湿度はよく分からない。


 正直に言えば気温すら分からない。


 雲ひとつない青空です、


 ってニュースのお姉さんが朝言ってるのだけは聞いた。


 それがここも同じかどうかすら分からない。


 青空だったけど快晴か?


 と聞かれたら答えは、


 分からない、だ。


 脱線してしまったな。


 本日、俺の通っている立仙高校では文化祭が行われている。


 俺も文化祭に来ていて、


 クラスメイトが誘ってきて、というか強制的に、


 吹奏楽部の演奏に連れて行かれた。


 長い長いロングロングゆったりとした演奏が終わったと思えば、


 俺のクラスメイトの吹奏楽部の女子が俺の前にやってきた。


 そこまではまだいいんだ。


 でもそこからが意味が分からないんだ。


 小声で周りの女子が「頑張って」とか、「きっと大丈夫だよ」とか、その女子の背中を押すんだ。


 そしていつの間に野次馬になっていた周りの男子が、「うらやましい」だとか、「せこいぞ!」とか言い出すんだ。


 もう訳わからないと思って、その場から離れようとしたら、


「月村くん!」


 ってその子に呼ばれたんだ。


「な、なんですか?」


 俺は思わず敬語で聞き返した。


「わたし、月村くんの事好きなの!……付き合ってください!」


 と言われました。


 人生初の告白、これが文化祭マジックとやらか。


 周りからは、「ヒューヒュー」とか「よっ、色男!」とか言われました。


 でもおかしいんです。


 こういうのって、


 勝ち組のイケメンと美女がもう付き合ってるも同然の状態でやるやつですよね。


 まず俺は彼女いない歴イコール年齢、


 詳しく言うなら、

 中学の時にクラスの女子が修学旅行で、

 付き合いたいランキングをやったらしく、

 その順位が20人中14位の俺。


 そんな俺が文化祭マジック?

 笑いも湧きませんわ。


 さらに追撃なんだけど、


 今俺に告白してきてる子が、


 言い方悪いけど豚にしか見えないんだ。


 はち切れそうな脂ギッシュ女子。


 俺みたいなブサイクに言われるのも嫌だろうけど、


 これは仕方ないよな。


「ごめんなさい!」


 俺はその場から逃げ出した。


 というかもう学校から逃げました。

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