日常:いへんの始まり
あたしの中には、たくさんの自分がいるんだわ。
…
もしあたしが、たった一人の自分だとしたら
もっとずっと楽なんだけれど、
でも、そうしたら、いまの半分もおもしろくないでしょうよ。
(赤毛のアン、モンゴメリ)
9月26日 午前3時27分
??「ぼくらはみんないっきている〜♪」
中年の男「ひぃ、くるな くるなーーー!!」
??「いきーているからうたうんだ〜♪」
中年の男「やめて、やめてくれ!! まだ死にたくない死にたくない!!」
??「てーのひらを」
トン、
中年の男「ひゃっ!! か、壁!?行き止まり!?」
??「たいように〜♪」
??は手を中年の男の胸に…
突き刺した
突然だが、俺は最高にかっこいい。
頭脳明晰、スポーツ万能…顔だって最高にいいさ。
じっとしていても女の子がどんどん集まってくるし…
さらにはどこかの公園のトイレの横で座っているとだれかが「ウホッ♂いい男!!」とかいいそうなぐらい(俺にその気はないんだが)
とにかく俺は最高だ。
「ねぇねぇ、駿くん、木原駿!!聞いてんの?」
「うおっ、なんだよ、いきなり怒鳴りつけやがって」
「聞いてた?話。なんか一人でぶつくさぶつくさ言ってたけど」
「お前の話なんか聞くかよ〜♪」
「はぁ!?なにそれ 。てかさっき少し聞こえたんだけど〜、駿さんはもんのすごくかっこいいんですってねぇ〜(笑)」
「あたりまえじゃん」
「うわ、でたナルシ。いい加減やめなさいよね、それ」
「はぁ?やめるもクソもねぇよ。ほんとのことなんだもん」
「はぁ、もうこれだから…ってやばい遅刻すんじゃん!!」
「それ、先に言えよ!!」
~5分後~
「はぁはぁ、なんとか間に合ったね…」
「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ…お前なぁ、」
こうして俺たちの1日は始まっていく。
これまではずっとこういうふうに、俺 木原駿と、俺の親友の田足希は学校への登校を繰り返してきた。
そしてこれからも、こうなるはずだった…
学校からいつもどおりに二人で帰り、それぞれの家へ帰る。
そして俺はいつもどおりに飯を食って風呂に入り、勉強をして寝る。
本当に普通の高校生の日常だ。
そう、いつからだったか…俺たちの平穏が崩れさったのは…