プロローグ
以前短編として出したものを、中編くらいに改稿して少々設定を見直しました
ここはルミエール教会総本山、その裏手にある女神ルミエールが作りし聖域の中だ。
そこでは、聖女認定の試験が開催されていた。
試験を受ける聖女見習いの名はルナフィア、弱冠十五歳である。
八歳の時にリンドグレーン侯爵家から出家し、以降七年間聖女見習いとして、教会総本山で毎日女神への奉仕活動を行っていた。
聖女とは何か――。
まず聖属性か光属性を持つ清らかなる乙女であること。
その上で、毎日女神ルミエールへ真摯な祈りを捧げ、その御力を授かったものが聖女見習いとなる。
そして聖女見習いの中から、女神自身により認められたものが聖女となれるのだ。
聖女認定試験とは、まさにその最終審査――女神に認められるか、その成否を問う場である。
ルナフィアは一心に聖なる木へと祈りを捧げている。
彼女の心の中にあるのは、女神ルミエールと邂逅したときの記憶だ。
実は彼女は転生者であり、こことは別の世界で生きてきた記憶を持っている。
そして生まれ変わる前にルミエールと出会ったのだが……彼女は寂しそうな顔をしていたのが印象強く残っていた。
年月が重なっていくごとに、女神への祈りが届きにくくなっている。
これは、人類が神から遠ざかっていることに他ならない。
ある意味、これは仕方のないことでもある。人は神から卒業していくものだからだ。
しかし神の寂しそうな顔を見たルナフィアは、彼女を信仰することで、少しでもその悲しみを和らげたいと思ったのだ。
それが彼女の原動力だ。
幼いころからルミエールを感じ取れるよう、毎日祈りを捧げた結果が、若くして聖女の認定試験を受けることができた証だ。
(ルミエール様、待っててください。私が、絶対に貴女との絆を結んでみせます!)
その瞬間、ルナフィアから莫大な聖属性の力が溢れ出した。
試験を見守っていた神官たちがどよめく。
その力は聖なる木を包み込み、次第に光り輝いていく。
やがて、天からきらきらと輝く光が舞い落ちてきた。
それと共に、女神ルミエールの紋章が刻まれたシンボルが、祈りを捧げていたルナフィアの頭の上に、ぽんと置かれた。
思わずそれを掴んでしまったルナフィア。
自分の手にあるシンボルを凝視した。
(ルミエール様……頭の上に置くのはどうかと思います)
そう思った時だ。
空から神聖な声が、参加している全員に落ちてきた。
――ルナフィア。貴女を私の聖女と認めます。




