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救世主転生 ~死にたくなかったので、勇者覚醒イベントの攻略不能ボスを倒して最推し勇者を救おうと思います~  作者: 嵐山田
三章

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第7話 穏やかな休日

 聖女の一行を見終えた俺たちは念のため遠回りをして家路についた。

 先ほど感じた視線の相手が接触してくるかもしれないと考えたためだ。


 しかし、あの一瞬以降視線を感じることもなく、結局ただ時間をかけて家に帰っただけになった。


「結局何もなかったな」


 家が見えてきた辺りで少し気を抜いて呟く。


「そうじゃの……確かに見られていたと思ったが」


「まあ、何事もなかったからいいじゃん! 聖女の一行も見れたし、私は満足! ユメちゃんも満足した?」


「うむ! この王都の人々のような自由な恰好ではなく、白を基調とした格式ばった装いが中々に面白かったのじゃ」


 まあ、何事もない分には特に問題はない。

 それより……。


「エモニもユメも満足したのなら良かったよ。あとは王城にでも呼び出されない限り、家でのんびり過ごそう」


「うん!」

「うむ!」


「……え、ええ!」


 ……聖女が来てからというもの、ミリアの様子がどこかおかしい。

 二人は気にしていないみたいだが、明らかに上の空で調子が出ていないように見える。

 と言っても、こういう場合掘り返していいパターンと触れること自体がダメな地雷パターンの二つが考えられるため、安易に聞くこともできないのがもどかしい。


「たっだいまー!」


 エモニが元気よく家に入る。


「分かっているわ! どうせハーレムくんのことだから聖女を連れてきちゃったんでしょう!?」


 ? いきなりなんだ?


「ただ、聖女の一行を見に行ったにしては時間がかかりすぎです! もう、覚悟は決めました! どこからでもかかって来なさい!」

 

 少し上を見上げると何にも触れられないはずのテレサとソーカが箒とモップで武装して待っていた。


「……あの、俺、信用なさすぎない?」


 ◇

 

「へぇ~視線、ね……」


「ハーレムさんでも分からないなら私たちに分かるわけはなさそうですね! 本当に聖女さんを連れて来たとかじゃなくて良かったです」


「いや、連れてこないよ。そう言う話だっただろ?」


 視線を気にして結構遠回りで帰って来たのと、聖女の一行が通り過ぎた道は俺たちと同じように聖女を見に出てきた人たちで混んでいてさらに時間がかかったせいで、また俺が厄介ごとに巻き込まれて聖女を家に連れて来たと思っていたらしい。


「そうは言っても……」

「「ねぇ~」」


 二人して俺の顔をジッと見たあと顔を合わせるテレサとソーカ。

 ……どうやらこのレイスどもは、俺を舐めているらしいな。


「そういえば、霊体に対する攻撃方法がないと思っていたところだったんだ。どれ、試してみようか」


「ちょ、ハーレムくん……? 冗談よね?」

「なにも私たちで試さなくても……え、ちょっと! ちょっと待ってぇ!」


「救世《ヘラクr》……」

「「ひぃぃ」」

 

「みんな~! ご飯できたよ~!」


 俺が拳骨を振り下ろそうとしたその直前に、キッチンで料理をしていたエモニの声が家中に響いた。


「……命拾いしたな。二人とも」


「「……」」


「今行く! 今日のメニューはなんだ?」


「今日はね~……」


 スタスタと歩いて行ったロティスの後姿を、肩を抱き合った二人のレイスが震えながら見ている。


「あの目はマジだったわ」

「うん……」


「「でも……」」

 

 心なしか熱くなった顔を手で仰ぐ。


「やっぱりハーレムを築くだけはあったわね」

「うん……男の人……だったね」


 この一件以降、レイスたちがロティスに挑発的な態度をとっては怒られる光景がロティス邸ではよく見られるようになったのだとか。

 そしてそのたびに頬を染めるレイスたちにエモニが詰め寄ったのはまた別のお話。


 ◇◇◇


 エモニの作った料理を食べたあとは家の中で各々が好きに過ごしていた。

 ユメは買ったばかりの世界の珍しい建物集という本を読んでおり、エモニは彼女の日課となっている指輪(アインに貰った魔法耐性付きのもの)を磨いていた。

 ミリアは料理を食べたあとは自室に行ってしまい、だいぶ日が落ちて来た今になってもリビングに降りてこなかった。


「んぅ~今日の日課もおしまい! 久しぶりに余裕があったから、時間かけて丁寧に磨いちゃった!」


 お気に入りの指輪を俺に見せつけるように左手の薬指に嵌めなおすとエモニがそう言って立ち上がった。


「……だいぶ集中してたな。もう、夕飯の時間か。なに作る? 手伝うよ」


 そんな二人と一緒に本を読んでいた俺もエモニに合わせて読書を止めた。


「んー何が食べたい?」


「……そう言われると中々思いつかないよな」


「ユメちゃんは? 何か食べたいものある?」


「そうじゃの……今日はあまり身体を動かしてないからの……」


 そうなんだよな。

 ここ最近というか、ヒルウァと戦ってから常に何かと戦っていたり、偉い人と会っていたりと疲れることが多くて食事のメニューもあるもので作れるものが多く、ダンジョンでは基本携帯食だったため、あまり考えていなかったが今日は完全なオフだった。

 とりあえずエネルギー補給ができれば良い日とは違って今日みたいな日は献立を考えるのが難しい。

 俺一人とか男だけならば、とりあえずタンパク質と炭水化物で解決するのだが……うちは男一の女三だからな。


「じゃあ、軽めにしとくか」


「あ! じゃあ、久しぶりにサンドイッチにしとく?」


「お、いいな。そうするか!」


「じゃあ、ささっと作っちゃうね! サンドイッチならすぐだし、手伝いは大丈夫だからロティスはミリアさん呼んできてよ。ユメちゃんはテーブル拭いてくれる?」


「うむ! 任せるのじゃ!」


「わかった」


 俺が返事をするとエモニがアイコンタクトをしてくる。

 ……さすがにエモニもおかしいと思ったか。


 やはり、エモニの目から見ても一日中ミリアが部屋に居るのはおかしいのだろう。


 俺が立ち入っていい問題ならいいんだが……。

 時間を作ってくれたエモニに俺もアイコンタクトで感謝を伝えつつ、ミリアの部屋に向かった。

 

珍しく元気のないミリアさん。

テレサとソーカのやり取りを入れたかったので、ミリアの話は次回へ。

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