第1章4話 寄港
~前回のあらすじ~
ビリューは宙魂で地球墜落時に恐竜を滅ぼした事がわかった
~前回のあらすじ終われ~
…1920年9月5日16時25分
その日、その時刻、世界中のラジオ放送やモールス信号等がジャックされ
「パッグヴァジノ連邦国」という国が兵器「サーノビッニッガゾーシャル」を領土とする建国宣言をし、更に、国際連盟への加盟も宣言をした。
この情報により情報大国イギリスでさえも慌てふためいた。
何せ全世界で同様………失敬『それぞれの国の言葉』でほぼ同時刻に放送されていたのだから。
特に新聞社や各国政府などは慌てふためいたという言葉では足りないくらいであった。
前者の方は情報を送っている最中に宣言がされ、後者の方と言えばほぼすべての通信手段が遮られていたのだから。
このため一部軍事基地では戦闘態勢に入り非常にピリピリとした空気が張り巡らされることとなった
この日の世界の状況を2文字の言葉で書き記すならこうなるであろう
『混沌』…英語で言えばchaos…と
所変わって「ミネアポリス」の会議室の中…艦魂と宙魂等に視点を変えてみよう
ミネア「…そう言えば私にもこの宣言が聞こえてくるけど…
これって他の民間施設にも流してあるの?」
艦魂は色々な特殊能力を持つ、例えば無線やモールス信号等が紙資料となって
手元に届いたり、脳に直接語りかけてくる…テレパシーのような物でその内容が解るのだ
他にも色々とあるがまた別の機会に話そう
ビリュー『そうだが?この情報はすべての人に隠す必要性は無い、しかし自分が宙魂と言う存在だという事は各国政府高官にしか伝えないからな無用な混乱を招きたくは無い』
ミネア「…けどこれって他の通信とかできなくなるのではないですか?」
ビリュー『………あ”……そうだった………』
そしていきなりドアが開かれた、スミス艦長とエデン副長…それに武装した乗組員がビリューの周りを囲んだ
彼らの目つきはまるで敵を見るような視線だった…
スミス「ビリュー中将、いきなりで申し訳ございませんがこの通信妨害はあなたの仕業ですね」
ビリュー『…自分のせいです…ごめんなさい…しかしあと2~3分でこの演説は終わる予定です…』
スミス「後2~3分で終わるとしてもこれでは連絡が出来ません、このまま何もしなければ我々の責任が問われてしまうので名目上拘束させていただきます。
と言っても機械ですが、それでも拘束させていただきます」
ビリュー『…解りました…因みにどこに?』
スミス「現在余っている部屋が無いため、大変失礼と思われますが倉庫となります」
ビリュー『…解りました、しかしを一体どこに行かせればよろしいのでしょうか?
あのままあそこに放置とはいきませんので…』
スミス「…とりあえずは喫水の深さを教えてください、サーノビッニッガゾーシャルをどこに行かせるのかの参考になりますので」
ビリュー『…たしか…メートル法で行くと約170mです』
スミス「……(少し呆然)…因みにですが全長や全幅は?」
ビリュー『…』
ビリューは少し考えた、科学技術ではこちらは凌駕しているがしかし、それでもこちらが不利になる事は少しでも避けたい。
もしかしたら自分たちが考えてすらいない方法で沈められるかもしれない、そう言う芽は引っこ抜くよりも
撒かない方が良い…が今の状況だと仕方がない
ビリュー『全長と全幅は約6300mと約320mが二つと約30mが一つで約670mです…
あ、因みにですが双胴機ですので同じものがいくつかの結合部によってつながっていると思ってください』
スミス「…(唖然)」
ジョン「…(呆然)」
此処にいる全員がほぼ同じことを思った…”大きすぎる”と、喫水が深すぎ、尚且つ小さい都市クラスの大きさを持つ……つまりはどこの湾にも入りそうにもないという事だ
しかしその近海になら停泊できる…かもしれない…喫水が深すぎるのも考えものだ
…と言うか双胴機ってなに?おいしいの?
スミス「ご協力ありがとうございます…それでは、倉庫の方へ…」
ビリュー『わかりました…(流石に落ち込んでる)』
こうして、ビリュー(遠隔操作型機械兵だが)は倉庫に入れられた…
しかしすべての放送が終わると同時に、全世界が無線の嵐であふれた
まずはサーノビッニッガゾーシャルの寄港場所が決まった、サンフランシスコだ…と言っても近海に停泊させ、海上にて外交官と会談する事となった
それと国際連盟は常任理事国、非常任理事国のすべてが『パッグヴァジノ連邦国』について話し合うために収集することとなったが一方、民間情報機関と言えば新たに刷り直したり、号外を作ったりと大忙しだった。
大体の新聞社はこう書いていた”ネフィリム(巨神)来たり”…と。他にも色々あった、例えば”宇宙からの旅行者、6500万年前から不法滞在”と侮辱したり、”宇宙からの旅人、彼は良き隣人か?それとも侵略者か?”と不安をあおるものもあった
尚、合衆国政府は民間情報機関を怒らせないためにも、≪『パッグヴァジノ連邦国』の現最高指導者のビリューの会見時間はあるかも≫とある程度ほのめかして反発やらなんやらはある程度抑えた
そして1920年9月6日…多少の波乱はあった物の人類は、初めて自分たちとは違う知的生命体と出会うこととなった…
…と同時に政府の一部高官は寝られない夜が言っとき続くであろう
要塞「今回はビリューが倉庫の中に閉じ込められたため、ミネアさんのみですな」
ミネア「…ってあれ?こっちの世界ではあっちで起こった事は影響しないんじゃないのですか?」
要塞「良い所を突きましたね、ミネアさん…実はビリューが入った倉庫は入ったは良いのですが
鍵が壊れて出てこれなくなってしまい…」
ミネア「…なるほど…それでこっちでは出てこれないと?」
要塞「左様で、しかし後1~2分すれば出てくると思いますので早く次回予告を!!」
ミネア「…いいのですか?」
要塞「よろしいのですよ」
ミネア「では次回、第1章5話 外交と会見」
要塞「お楽しみに、では感想、ご意見、その他もろもろお待ちしております…そうそうそれと、今後は
「サーノビッニッガゾーシャル」の事を「サーノ」
「パッグヴァジノ連邦国」の事を「パ連」(ソ連っぽいな…)と呼称いたします」