第1章0話 目覚め
どれほどの時が過ぎただろうか………
「彼」が落ちてきて、すでに6~7千万年……
分厚い氷の海の底に巨大な施設があった…
彼はいくつもの種を滅ぼしこの環境を直した後、自己保存のため
すべての機能を停止していた…もはや昔のように漆黒の海へと飛ぶことも
ままならず、仕方がない処置といえよう。
そして彼はあることに一片の望みを賭けた…
それは、生物の進化の過程での一つ、知的生命体の登場である
…そして彼は賭けに勝ち、人類と自ら名乗る者たちが現れた
彼らはゆっくりとした速度で科学的進歩を遂げて、たったの4~5千年で
機械を手に入れ、そして間もなく飛行機械も手に入れた…
それと呼応する様に「彼」は少しずつ機能を再開、点検し…
そして…現在…西暦1920年8月27日…「彼」は6~7千万年の眠りから覚めた……
1920年9月3日08時12分
アメリカ捕鯨船団「タロンカンパニー」にて
船長「クジラがそっちに行ったぞ!! 囲め!」
船員1「頼むぞ~今度こそ捕まってくれ、そうしなきゃ帰れない!
おとなしく捕まって帰らせてくれ!!!」
船員2「うるせぇ!!! ……そうだこっちだこっち…喰らえ!!」
そう言いながら船員2は捕鯨砲で狙いをつけ…発射した
しかし、よく狙い更に乗員すべての思いを乗せたからと言ってもすべてがすべて当たるわけでは無い。
つまり、簡潔に言えば外した
船員1「てめぇ!!! 良くも外しやがったな!! 獲物が深く潜ったじゃないか!!」
船員2「それならこの海の揺れを無くせ!! ボケェ!!」
船長「やめんか!!! それ以上喧嘩するなら海に叩き込むぞ、猿共!!
……まぁこの揺れだ、外すのも仕方がない…食料も残り少なくなったし一度出直すか」
船員達「諒解!!」
船長「まぁ帰る途中でクジラを見つけたらそいつを狩るがな!」
船員3「船長!!右方向にクジラらしきもの発見!!」
船長「早速お出ましだ!!銛は発射可能になったか!?」
船員1「いつでも発射可能です!! 今度は外すなよ!!!」
船員2「おう!! わかっている」
船員3「ラッキーだ! クジラの距離が近くなっています!! …ってん?」
船員3は変なことに気がついた
クジラにしては影は異様に大きく、速度も速いのだ
しかし…あまり気にも留めなかった
影が大きいならば大物で、速度が速くしかもこちらに近づいてきているのならば
逃さないわけはない、そう思っていたからだ
船員2「今度こそ当たれよ……喰らえ!!!」
因みに、船員2が捕鯨砲を撃った、そして当たった……がしかし
跳ね返って折れたのだ(・・・・・・・・・・)
普通のクジラに撃ったら跳ね返ることも折れることも無い、
しかし、今撃った物は普通に跳ね返した
……つまり…
船長「……潜水艦か!?
(アメリカの潜水艦か? それともロシアか? いや、日本?
だがロシアはあまり海中戦力を持っていないと聞くから除外、
日本はわが偉大なるアメリカの資源があまりない所に来るほどバカではない
そうなると…祖国、アメリカの潜水艦か!?)」
船員3「…船長! 奴が浮上します!!」
船長「……国家反逆罪で捕まるかもな………」
そして、彼らが乗っていた捕鯨船の目の前で浮上を始めた、その物は予想以上に大きかった…
船員3「何だ!! この大きさは!?!?」
船長「…アメリカじゃなさそうだな(良かった)」
少なくとも200mはあるだろう、しかしまだ浮上を続けている
現に、いまだにその影が大きくなり続けているからだ
船員3「でかい……あれは一部だったのか?」
船長「…船外に出ている奴は一時船内に戻れ!」
もし予想を遥かに上回る大きさだったら波に浚われて真冬の海に落ちるかもしれない。
その判断は良かった…が
船長「うおぉぉ!?」
船が転覆しそうな大波が来た、しかし、捕鯨船団は無事に転覆することはなく
その浮上し続けるものを見続けていた
船長「……本国に向け通信!我捕鯨船団「タロンカンパニー」、目の前に島みたいな船らしきものが浮上、アメリカ海軍の潜水艦か? 以上!
後ついでに現在地も報告だ!」
船員3「解りました!! 救援も求めますか!?」
船長「いや! もし敵だったら我々は今頃下敷きか海の底だ!
しかし今もまだ生きている!! 奴に敵意はないはずだ!!」
船員3「諒解!!」
同日、15時20分
アメリカ海軍巡洋艦、ミネアポリスにて
艦長「ん~……やっぱり…私は寒いのは苦手だな……老体に堪える…
……ちょっと艦長室で待機してくる」
副長「そりゃないでしょ艦長……自分達だって寒いのを我慢して
頑張っているんですよ…」
そう、ここはアリューション近海であり北極海近くの海、
彼らは、「タロンカンパニー」が目の前に浮上した「島のような船」を探しているのだ
幸い捕鯨船団に損害はなく、アメリカ本国に報告しているのである
現在も彼らの現在地を逐次報告しているほどである
しかし、もしものことがあるため一番失っても痛くない艦、
装甲巡洋艦ミネアポリスが選ばれ、問題をよく起こす兵士を載せて
向かった
因みに副長はこの艦にいる中では、最も常識人である
艦長「……しかし……捕鯨船団は一体どこだ?」
副長「もうそろそろですが…おい! 見張り員! 何か見えるか?」
見張り員「……」
副長「……どうした!! 見張り員!!」
心配したのか急いで見張所に行く副長…しかし
見張り員「……ZZZZZ」
副長「………(イラッ)…寝てんじゃねぇぇぇぇええええ!!!!!!」
見張り員「……ッは、ハイ!!!! 起きてます!!!」
副長「…ッチ…まぁいい……でなんか見えたか?」
これで見逃すのもどうかと思うがここで話を止めたら話が進まない
見張り員「……あぁ…右舷方向に捕鯨船団を発け……え?」
副長「…もういい、そこを退いて双眼鏡貸せ!! ………って何だあれ……?」
見張り員が絶句した、副長はその見張り員をどかして双眼鏡をのそいたが…
同じく絶句した
……無理も無いだろう、島の様な巨大な塊が浮かんでいるのだから……しかし驚いた理由はほかにもある。
その巨大な塊が掠れて見えて、しかもまだ全体像を表していないからである…
つまり遠すぎて、まだあまり見えていない、しかしそれでも見えているほど巨大なのだ。
副長「…艦長、一応戦闘用意をお願いします」
艦長「……許可する、各院戦闘配置、全兵装砲門開け!!
……さてと…あんな巨大な物にこの小さい艦の攻撃が効くかどうか……」
その頃、「島みたいな船」の内部にて
??1「…………………………んあ………
…………やっと知的生命体が出てきたか……
なんだ? 近くになんか居やがる………夢か?……
……寝ぼけているのか俺…?」
??2「いい加減にしてください。
夢ではありません、近くにいる小さいのは一応船です…」
??1「…………なぅぁにぃ!!!!!!!!! どこだ!!!!!!
何処にいる!!!!」
??2「下です」
??1「…踏みつぶしてはいないよな」
??2「安心してください、一隻も被害を出してはおりません
更に言えば東の方向に小型の武装艦らしきもの発見
しかし載せているのは骨董品を通り越して化石に近い火薬使用式砲です」
??1「そうか、一応敵意がないことを知らせるため全武装は上に向けろ」
??2「諒解しました」
??1「…一応、自分用の遠隔操作型機械兵を用意
さらに、今までの偵察機からの言語情報、並びに文化情報をメインサーバーに読み込ませろ」
??2「諒解しました」
??1「……女の子いるかな?」
これが、「彼」と「人類」との出会いとなった
後世ではこれが「爆発の歴史」の始まりと語れることとなるのは別の話である
要塞「どうも、この話を読んでいただきありがとうございます!
ご意見ご感想をお待ちしているとともに、批判等もある程度は
受け付けております!」
??1「おい要塞、次の回こそは俺の名前は出るよな」
要塞「……まだ名前すら出てない奴がこの後書き世界に出るな!」
??1「…はいはい…なら次の話の後書きワールドに出てくるとしようか…」
要塞「…少し邪魔が入りましたが…では、
次回「第1章1話 寝起き直後」お楽しみに」