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20.ワタルVS竜

 竜殺しの一族。かつてノルーテ大陸に存在としたとされる、唯一竜たちに対抗できると言われた一族である。現在では、最早伝説となっていた。


「ワタル君が竜殺しの一族……?」

「おいおい姫様、そんなの初めて聞いたぞ」

「姫殿、説明を願いたい」

 ティア、キョウヤ、フレイドが口々に言う。


「やれやれアイレス様、何も今そのことを言わなくても」

「す、すみません」

 アイレスも余計なことを言った自覚があった。


「お前ら話は後だ。今はただワタルたちの喧嘩を見届けろ」

 ゲルニカの一声でみんながワタルの背中を見た。


 当のワタルと言えば、ゴーロ、マール、ヴォルカオ、ヴィーネのまえに直立すると腕を組み叫んだ。

「ごめん!! なんかよくわからんけど、スカイの魔法のせいで苦しんでたんだろ? 俺、気づけなかった、本当にごめん」

 ヴォルカオたちは戸惑っていた。


「殴れ。一発ずつ殴れ。それで、この件は終わりにしよう」

 ワタルの言い分にその場にいた誰もが呆れた。


「あのアホ、状況がわかってないのか?」

 誰もがキョウヤの言葉に同意した。


「バカが、お望み通りそのクソガキを葬ってやれ」

 スカイがゴーロたちに指示する。。


 数秒後ゴーロが尻尾でワタルを殴った。


「ワタル!」

 フブキが叫んだ。


 ゴーロの一撃で吹っ飛ぶかと思われたワタルは微動だにしなかった。


「次!」

 ワタルが言う。

 ワタルの言葉に従うようにヴォルカオがワタルを蹄で攻撃する。やはり、ワタルはびくともしない


「次!」

 またワタルが叫ぶ。間髪入れずマールが水魔法を放つ。ワタルは平然としていた。


「次!」

 ヴィーネが翼でワタルを殴る。ワタルは一歩も動くことなく、ニヤリと笑った。


 その光景にアイレスとゲルニカ以外の全ての物が目を丸くした。


「ど、どうなってるの?」

 そう呟くフブキの隣でアイレスは

「ずるい」

 と零した。


「アイレス、どういうこと?」

「ワタルは触れた竜の力を借りれるの。ワタルはさっきミラに触ってた。今のワタルの体はミラと同様ダイヤモンド並みに硬いのよ」

 つまりはワタルは最初から殴れと言いながら、正面からその攻撃を受ける気などはなかったのだ。


「よし、これで終わりだ。こっから先はただの喧嘩だ」

 ワタルが背中の大剣を抜く。大剣の根元から先はダイヤモンドであった。


「行くぞ、ゴーロ」

 ワタルはゴーロに斬りかかる、ゴーロはそれを翼で受け止めたその瞬間、ワタルの大剣がダイヤモンドから岩に変わる。

 ワタルは力任せにゴーロを吹き飛ばした。


 ワタルは間を置かず、今度はヴォルカオに飛び掛かった。ヴォルカオは蹄で応戦する。ワタルの大剣がヴォルカオの蹄に触れた瞬間、大剣が岩から炎に変化する。

 ワタルはは大剣から業火を放ちながらヴォルカオを吹き飛ばした。


 次いでマール、ヴィーネと、同様に薙ぎ払った。


「す、凄い」

 フブキが呟いた。


「言ったでしょ、ワタルなら大丈夫って」

 アイレスは目を赤くはらしながら答えた。


 その後もワタルは起き上がり向かってくる、竜たちを何度も撃退した、その間にワタルも竜たちの攻撃を何度か受けたがワタルは一度も倒れることはなかった。

 そして激闘の末、とうとうスカイに支配された4頭の竜たちは立ち上がれなくなった。


 息を切らしながらもワタルは笑った。

「ゴーロ、マール、ヴォルカオ、ヴィーネ…………この喧嘩、俺の勝ちだ」

 ワタルは大剣を一度大きく上げてから。スカイのいる方へと振り下ろし、大剣の先をスカイに差し向けた。


「こっちに来いスカイ!! 終わりにしよう」

 ワタルの呼びかけにスカイはぶるぶると震えていた。


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