うん、知ってた 3
法の力の違う使い方を。
どうにかして、見つけようとするから、難しいのだ。
元来、必要な手順をなぞり。
彼女たちを管理するには、どうすれば良いか、考えれば良い。
名前は、管理する力の名称。
素材は、法の力が吸い上げていく。
竜紋によって、強くなったと思われる、沙羅自身の力。
願いは、彼女たちの居場所と、強さを簡単に、確認できるようにしたい。
全く違うことをするには。
全く別の力が、必要だと考えがちだが。
やれば分かる、そうとしか、言いようがない。
大概の場合、応用で解決できてしまう。
引き出しが、あるか・ないか。
ただ、それだけの話だろう。
「なるほど…。
コレが、ジュライ子と、岩沢の、力の在り方、な、わけだ…」
一つのことしか、デキないと思いがちな、力の使いみち。
デキることは、限られているのだろう。
だが、いままで、力を使ってきた感覚が、デキないと断言させない。
デキないかもしれない、は。
不可能だ、と、言うことでは、ないのだ。
力の見方、捉え方を変えるだけで。
使い方は、無数に展開していく。
「管理する力の名称かぁ…。
目次? インデックス? ステータス? う~ん辞書? ちがうなぁ…」
力を見るだけなら、ステータスで良い。
だが、彼女たちの居場所も、となると、話が大きく変わってくる。
ゲームで表示される、ワールドマップの。
ドコにいるかを、視界の右端に、小さく表示するなら。
ステータスなどではない。
「そうか、コイツらの総称が、必要だなぁ…」
こうして、思考は、脱線していくのである。
「法の力で生まれた命達を、なんて呼ぶか…」
彼女たち全員の名称。
法の力によって生まれた、命の名称だ。
名称を決めるのなら。
彼女たちの総称を、組み合わせたほうが、具体的だろう。
「ふざけて、ヒロイン錬成とか言ったけど、ウケなかったしなぁ…」
本編でも、カットされているぐらいである。
「そんなネタ名称、言いたくないしなぁ…」
視界が汚れるので、是非とも封印して欲しい。
沙羅は、何の気なしに言ってみたら。
ちょっと冷たい、みんなの目線を受けたのを、思い返し。
真面目に、考えてみることにする。
ダメ子とゆかいな仲間達では、反乱が起きかねない。
主に、ダメ子以外から、猛抗議を受けるだろう。
法の力は、そのままで良いだろう。
法の力で生まれた生命は、単純に略称すべきだろうか?
「法力生命? まだ、ちょっと、うまく言えてないなぁ…」
ちょっと、ではない。
かなりダメである。
沙羅は、ここでまた。
ネーミングセンスを、問われている。
「法の力で、錬成して生まれてきたわけだろぉ?
法力錬成生命か?」
漢字を並べれば良いモノではない。
「結構、良いとこまで、煮詰まってる気がするなぁ…」
沙羅のボキャブラリーのなさが、さらけ出された、だけである。
「もっと、カタっ苦しさをとるなら、横文字言語だなぁ…」
沙羅は、安易だった。
「機械翻訳するとして…」
それにも気づかず、続行である。
法力は、リーガルフォース。
錬成は、フォーマラゼイション。
生命は、ライフ。
「リーガルフォース・フォーマライゼイション・ライフ」
なにか、技でも、飛び出しそうだった。
本当の異世界転生なら、技名がスデにあり。
たいていの場合、覚えるだけで良い。
地面からアンデットあたりが、出てきてくれたほうが、気が楽である。
考えなくて良いのだから。
なにもかも、ノンチュートリアル・サバイバルが問題なのだ。
考えなくても良いことを、考えなければならない。
「なんだ? この、中学二年生ぐらいが、大好きそうな横文字は…」
それが分かる沙羅も、同じ穴のムジナである。
「ダメだ、デメだ。錬成っつうか、錬金術は…。って、同じだだなぁ…」
そろそろ、気づくべきである。
「ダメだ横文字、カッコ悪い」
正解である。
「え~っと…」
日本人らしく、日本語に頼ったら、どうなるか?
「あっ! 法力生命、ネリナルでどうよ。いや、まだ固いなぁ…」
そして、渾身の合わせ技が、沙羅の口から吐き出される。
「LLネリナル?」
ハンバーガーセットだった。
「だめだ!」
沙羅のネーミングセンスが、である。
「なんで、頭文字が、LLセットみたいに、なりやがった?」
小説を書いてる、私が聞きたい。
「じゃあ、カタカナで。
文字だけ抜いて、リーライフ・ネリナルか?」
リーガル・フォース・ライフを、言いやすくしただけ、だったのだが。
リーライフとは、元気で活発なという意味になる。
「これは、当たりじゃないか?」
沙羅は、誰に同意を求めているのだろう?
とりあえず、沙羅は。
一つの単語に、2つの意味をもたせることに成功し、ご満悦である。
元気で活発な、法の力で生まれた生命、ネリナル達。
彼女たちを言い表すのに。
こんなに、ピッタリな言い方も、他にないだろう。
考えついた、経緯を知らなければ。
あと一歩で、ダメ子と同レベルである。
沙羅は、ネーミングするのも全てに。
とことん、地雷を埋めないと、気が済まないのか。
命名された全ては、指摘されたら、闇深い。
「リーライフ・ネリナルの管理か…」
長かった。
そして、言いにくい。
さらに、沙羅は、めんどくさがりだった。
「もう、ネリナル管理で、良い気がしてきたなぁ…」
サラダから、ここに極まれりである。
リーライフネリナル達の力を図り。
居場所を分かるようにする力を、なんと呼ぶか。
「もう、ネリナル・マニジメントで良いな」
横文字にして。
ゴロの調和を、安易に取ろうとしている感が、ハンパない。
もう、めんどくさくなっているのだ。
「一応、これで仮に決まりだとして…」
仮ではなく。
今までの流れからして。
もう、リーライフ・ネリナルで、確定である。
「え~と?」
法の力は、使う明確な意思と。
条件が、クリアされていれば、使うことがデキる。
その結果。
周りの素材を食い荒らし、生命が誕生する。
だが、コレでは、何かを、物理的に使わなければならない。
そして、どうなるのか。
毎回のように、ヒヤヒヤしなければならない。
突きつけられた結果は、結果でしかない。
良いも悪いも。
見てからしか、分からないのでは。
管理とは、ほど遠い。
何かに、干渉したいわけではなく、見たいだけだ。
いつもは、手を突き出し。
法の力を使う意志を、固めているが。
そこまで、大きなことしなくても良い。
チェックしたいだけ、なのだから。
ほぼ、ノーリスクで、見たいときに、見られる手軽さが必要だ。
「目だけで、法の力を使うイメージか?」
頭に、左右の目の色が違うキャラクターが、思い浮かんだ沙羅は。
やはり、中二病経験者だ。
思いついたなら、試すしかない。
「……。なんだ、この恥ずかしさは」
今なら、恥は、自分の中で勝手に生まれ、勝手に消えていく。
沙羅は、自分の中に意識を向け。
法の力の存在を確認し、閉じた両目を開け、願う。
リーライフ・ネリナル達の力と、居場所を簡易に見たいと。
心のなかで、ネリナル・マネジメントと唱え、目を開けば。
前を歩く、スレイの頭の上に数字が現れた。




