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某有名漫画の名台詞より

作者: たでんだた

ここは地方の私鉄で、駅には自動改札機が無い。


通勤、通学時間帯は混雑するものの、その時間帯を外せば人はまばらだ。


でも、僕が利用する時間はぞろぞろと人が動く。


切符の種類は三通り。

一回だけの片道切符、十回利用分の料金で十一回分が(つづ)りになった回数券、あとは半年利用の通学、通勤定期券。


駅員は改札口で、利用者が手元に用意した切符や定期券を素早く確認する。


朝と夕方、僕は改札口に大勢の人達と並ぶ。朝はホーム側に入るために、夕方はホーム側から出るために。


僕は利用者の列に並ぶ。

改札口で、僕の順番が来る。

僕はいつも改札口で(つか)えてしまう。

どうしても定期券が見当たらない。

僕の後ろからはどんどんと利用者が押し寄せ、過ぎ去っていく。

僕など、そこにいないかのように。


誰もいなくなった改札口で一人(たたず)み、大好きだった漫画の名台詞を思い出す。


「お前はもう、死んでいる」

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後のセリフで吹き出してしまった。 これだとコメディになってませんか? 改札口にいる駅員さんが見える人で、彼にセリフを言わせた方がホラーになると思います。
[良い点]  なるほど。簡潔で良いです。タイトルから結末までに、余計なことを考えさせずに、誰もが知っている台詞に至る。  映画のシックスセンスパターンも、悟られずに、世紀末伝説と組み合わせたのは、面白…
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