白い朝よ、遥かへ
白い朝よ
夜遅くまで時間はあるけれど、
何も使えないままに、
夜が終わってゆく。
眠気のある目を瞑り、
ほんの少しだけ意識を無くせば、
あの憎い人々を、
叩き潰す自分が見える。
夜が終わってしまう前に、
いつかの作戦通りに、
あの下世話な東洋人たちを、
叩き潰してしまえばいい。
そうすれば、何もかも上手くゆく。
何もかも上手くいって、
思い描いた暮らしができる。
真水で生まれた風に吹かれて、
フレンチトーストの白い朝が来る。
遥かへ
何でも吐き出せるって、
幸せなことで。
じゃあ、何から何まで、
吐き出せるかって言うと、
だめだ……考えてしまう。
そう考えてる時点で、
殻から出られなくなっている。
ただの親切なら、
そんなに欲しくない。
何もかも、確かに吐き出せる
自分が欲しい。
遥か彼方のあなたは、
今夜また、どこでどうして。
高層ビルの建ち並ぶ、海辺で、
吐き出せる自分を夢見ている。