俺の嫌いな先生
俺は孤独な観測者だ…
と言いたいところだが、現在、クラスメイトほとんどが俺を絶賛観測中である。
んだよ。俺は上野動物園にいるパンダのシャ○シャ○じゃねえぞこら。
あの日花梨を殴った件以来、俺を見るクラスメイトの目が変わった。
なんで人を殴るだけでこんなにも観測されないといけないの?
だが、一つだけ確信が持てるとすればクラスのほとんどが俺を心配なんてしていないことぐらいだ。
【人は見下し、話題を広める生き物である。】
勉学、スポーツ、技術面などで相手の点数が低ければバカにし、高ければ怒り、
そんな自己中心な行動しかしないのである。
特に話題である。
人は相手が失敗したのを周りに笑い、伝達し、それを友達に話し、盛り上がる。
拡散社会の闇である。
人間というのは失敗を笑い、時には仲間を欺く、地球上最もクズな生き物である。
ましていじめなどで「冗談でやりました」などと言うやつは
瀬戸内海に沈めればいいと思う。
観測中のクラスメイトは一時間目のチャイムと同時に話をやめ、席についた。
すると、一年5組のドアを開けた国語担任の松野明美先生がクラス内に侵入してきた。
「松井明美」 国語担任で、部活は剣道部を担当している。外見大和撫子だが、中身は超がつくほどの男っぱしりである。
故にそれのせいか二十九歳、結婚はしておらず、給料で使うのはプラモデルや釣り、アニメグッズなどという。
俺は松野先生が嫌いだ。あの人はいつもポジティブに物事を考えてしまう。
俺とは真逆の性格である。
ゲームも同じだ。光は闇に強く、火は木に強く、木は水に強く、水は火に強い。
人はそれぞれ違う性格(属性)を持っている。
「この人とは話が合わない、考えが違う」などそれは相性、つまり属性が悪いのである。
それと同じで、俺は松野先生と相性が悪いのである。
俺は松野先生が嫌いだから、
応答せよ…こちら宮川、一年年5組、松野が侵入、現場に直行せよ!っとFB捜査官ごっこをよくしてしまう。
松野先生は「いまから授業を始める!起立!」などと迫力ある声で言った。
軍曹…声がでかいですぜ。
国語の先生ってほとんど声が大きいよな?あれまじで寝れねぇ。
などと言っていたがあっけなく寝てしまったのである…
50分ぐらいたったのだろうか?目が覚めると、もう授業が終わり見たいな雰囲気が流れであった。…ほとんどの時間を睡眠に費やしてしまったぜ。
よくバレてなかったな。俺の席は前から2番目で真ん中だったのに。
しかし、授業の終わりに松野先生から「宮川、昼休みに指導室に来い、」っと言われてしまった。
なんで俺のステルス機能が通じないわけ、何なの?陰陽師なの?俺お化けじゃないぞ?
その後の授業もなんとなく普通だが、休み時間にまたもやた観測されまくった。
普通ではない学校生活が徐々に始まった。
昼休み半分のクラスメイトは教室で弁当を食べ、その他は学園内で飯を食べているであろう。
俺は誰も使っていない教室でいつも弁当を食べている。
その教室には過去の文化祭の展示物や体育祭などで使った看板らしきものが置いてあった。ここは多分物置教室だろう。
その証拠にホコリが舞いまくっているのである。
そこで早めに弁当を食べ、指導室に行くと、
ドアを開けると、松野先生がコンビニ弁当を食べながらスマホで「北○の拳」を視聴していた。
俺のことに気づいてないのか、満面の笑みで画面とにらめっこしていた。
申し訳ないと思いドアをゆっくりしめるが、
それに気づいた松野先生は
「やっと来たか、待っていたぞ。宮川君今ちょうど北○の拳を見てたんだ。」
とまるで友だというふうに俺に北○の拳を見てたんだと言う。
誰が友だよ。まあ、実際アニメオタク同志なのは変わりませんけどね。
北斗の拳を見終わって、満足そうにしていたが急に真剣な表情になりこう言った。
「宮川君は君はなぜ織田花梨さんを殴ってしまったのかね?」
唐突にその話が出た瞬間、俺は頭が真っ白になったが気を引き締め、
「なんで、先生がそのことを知っているんですか?」
早すぎる、昨日起きた事件なのになぜ先生が知っているんだ?
まさか陸上部員の誰かが言ったのだろうか?
まぁそりゃそうだな。けど俺は悪くない。怒り方を間違えただけだ。
「私だけじゃない、一年のほとんどが知っていると思うよ。ネットでたくさん広まったんじゃないのかね?私は生徒から聞いたけどね。」
これが…情報社会の闇か、いやネットは悪くないか…人が悪い。
だから言っただろ。人は失敗を話題に変える生き物であると。
「それでなぜ、花梨さん殴ったのかい?」
俺にはわからない。ただ脳で殴ると思ったから運動神経が反応したんだろう。
「わかんないっすね、ただ殴ったのが悪いっというのはわかります。」
松野先生はため息をついて
「もういい、もうすぐ昼休みが終わるからこの話はまたいつかしよう。だが、これだけは忘れるな。この事件で君の学校生活は大きく反転するだろう。気を引き締めて行動したまえ。」
言い終わると松野先生は指導室を出ていった。
一人取り残された教室はもう、もう何も音がしなかった。
クラスに戻ると、俺が入ってきたのに気づいたかクラスメイト達は話をやめ、俺に聞こえないように事件のことを話している。
中にはクラスのリーダー各の女子は俺に聞こえる範囲にこう言ったのだ。
「ほんと宮川って最低だよね、女殴るとかマジでないわ」
その言葉を聞いた瞬間俺は我慢した。
俺はメンタルが強くなく悪口などを聞くともう学校行きたくないっと思うレベルである。
それを聞いたクラスメイト達はクスクスと笑っていた。
すぐに逃げ出したい、もう学校に行きたくない。
そんなことがあったが、5時間目6時間目もあっけなく終わった。
すぐさま学校を出るようにしてかばんを持ち、すぐにクラスをでた。
一年のクラスは北校舎にあり、3階建てである。
俺は皆が行くルートとは違い、別の方向で帰ることがした。誰もいない廊下は物静かでとてもいい、俺は一人が好きなので田舎の学校などはとても憧れる。
そして北校舎の出口から出ようと右に右折すると
そこには和泉さんが立っていた。