神話獣 人化される
誤字脱字報告、感謝です。
フィリーは、木が密集した中を、とても早く(だいたい高速道路で見た森と体感同じ感じ…てことは、時速100km!?早っ!)それでいて揺れが驚くほど小さく走っていった。風もほとんど感じない。ほんと、どうやって走ってんの?
「フィリーすげえ。速いのに揺れが小さい!これがフォレストウルフの力?」
『グレイトフォレストウルフだよー!あと、この早さはスキル〈森走り〉のおかげだよ〜』
「そうか、魔獣もスキル持ってるのか、いや持ってるよな普通。じゃあ魔法とか使えるの?」
『風魔法は得意だよ!』
「そうか、風が小さいと思ったら、フィリーの魔法のおかげか。」
『うん!おんなじ方向に風を起こしているの!』
「そうか。すごいぞフィリー!」
そう言ってフィリーの頭を撫でてあげると、尻尾が大きく揺れた。喜んでいるな。
ーーこれが、時速100kmで走る狼の上で行われた会話である。
緊張感を、主人公(と作者)はもといた世界に忘れて来てしまったらしい。
その時急に、森の中で木ばっかだった視界がひらけた。頭上に青空が広がる。その先にいたのは…
「おいおい、マジかよ。そりゃあフィリーが逃げたのも納得だわ。」
『ご主人様?大丈夫なの?』
「ああ、任しておけ。もうちょっと近づいて。」
まずは、か、鑑定しよう。こえー
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ベヒモス Lv567
神話獣
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鑑定、ベヒモス:世界三代神話獣の一つ。二足歩行の超大型の魔物で、体長は50mを超え、どこでいつ、どのように現れるかは不明。とにかく強く、周りにあるものを破壊し尽くす。
レベルが意味わからん。
視界がひらけたのは、周囲の木々が倒されていたからだ。視界の先にも絶賛森林破壊中のベヒモス。こちらに気づいた様子もない。
(ていうか、テイムできんのあれ?)
テイムの有効射程が気になるところだが、回数制限があるので、なるべく近づいて…
(目視30m!今だ!)
「テイミング!」
ーテイムに成功しました。名前を付けてください。
「マジかよ…」
『あれ?うごきがとまったよ〜。ご主人様のおかげ?』
「ああ、なんていうか、自分でもびっくりだ。」
そう言いながら、動かなくなったベヒモスの10m前でフィリーが止まる。ていうか、50mか。たけー。でけー。よく見えない。
テイム最強じゃね?まあ、固有スキルのおかげだけど…
『わたしを飼いならしたのはあなた?』
その時、ベヒモスがゆっくりこっちを振り向き、遥か下にいる僕ら(フィリーとそれに乗っているを見ながら念話で訪ねて来た。女の子の声?メスなのかな?おとなしい、落ち着いた声だ。とてもさっきまで破壊活動をしていたとは思えない。
少し喋りにくいな、こうゆうときは…これかな
鑑定、大小化:テイムした従魔の大きさを変える。ただし、元の大きさより大きくできない。
「大小化!」
そう唱えると、ベヒモスがどんどん小さくなっていき、最終的に、ほぼ人サイズの1.5mになる。こうしてみると、結構かわいいな。
『これは?…不思議な感覚。けど悪くない。それで、もう一度聞く、調教したのはあなた?』
「ああ、間違いない。僕だよ。」
『そう…男の子だったのね。名前を付けてちょうだい。まだ洗脳は終わってないわ。』
何故だろう。この子がいう「テイム」には、いかがわしい感じがする。まあいいや。名前か…
べフィー、もいいと思ったが、フィリーがいるし紛らわしい名前は良くないよな。よし、なら
「パティ、とかどうだ?」
『かわいい。いい名前。わたしはパティ、これからよろしく。えーと…?」
「ソータだ。呼び捨てで構わない」
『ソータ…よろしく。』
「ああ、こちらこそよろしく。」
不思議な感じのする子だ。なんだろう、見た目は完全に獣だけど、人間にしか見えない…
『ご主人様!?フィリーが空気になってる!』
あ、やべ。完全に忘れてた。
「ごめんフィリー。今から仲間になるパティだ。挨拶しなさい。」
『んっ、ご主人様の仲間はわたしの仲間!よろしく〜。』
(あ、口調戻った)
『わたしはパティ。あなたも従魔?よろしく。』
ていうか、従魔同士でも念話できるんだ。念話便利〜
そういえばと、あたりを見渡すと(元は森だった)平原(切り株付き)が広がっている。
「そういえば、フィリーは怒ってないのか?森を荒らされたんじゃないの?」
『大丈夫〜。今はフィリーはご主人様のもの!ご主人様が怒ってないならわたしも怒ってないよ〜」』
「おおーいい子だなあ、かわいいなあ、よしよし」
撫でてあげると、尻尾が大きく振られる。親バカ…っていうか、飼い主バカがでてきたなか?
と、じゃれ合いはこの辺にして
「パティ。今から人化のスキルを使ってみたいんだが、いいか?」
『人化?構わないが、何故?』
「なんとなく使ってみたいのが一つと、パティがかわいいだろうと思ったから、パティの人化を見たかったのが一つかな。」
『ソータがしたいのなら、構わない、好きにしてくれ。』
「では早速…」
「人化!」とか思ったかね、諸君!
残念ながらわたしもバカじゃないのだよ!だから、ここで今すぐ人化をさせて、裸の女の子とごたいめーん…とかになると思ったかね?はっはっは、甘い!あまいぞ!とれたてのイチゴで自分の誕生日に自分でイチゴケーキを作って、自分独りで食べた、涙が混じった少ししょっぱいあのショートケーキ(7号)よりあまいぞお!
…
わたしはきづいていたんだよ!その可能性にな!そして、空間魔法の格納になにかが入っていることは、転移してからずっと気づいていた!そう、そこには
ー女性服(全身セット、魔法でサイズ自動修正) 5
誰だ入れたのは畜生!いや、いやっほう!ご丁寧に下着まで完備してるじゃないかあ!ありがとうございまーす。いや、違うぞ!自分は断じてそんな性癖ではないが、これでも、(体は)思春期の男の子、健全な男子なら、誰もが喜ぶはず!
…
と、とにかくっ!これを使って人化させようと思ったんだよ!本当に誰が入れたのか知らんが、結構服はかわいいしな…え?何故わかるかって?空間魔法で入ってるのは全て頭に思い浮かべられるんだよ!
と、ここまでコンマ一秒で考えて、パティに格納から出した動きやすそうな服(下はズボン、下着付き)を渡し、後ろ向く。フィリーに乗ってるから首だけだが。
『ありがとう。だが、ソータ、どうして後ろを向く?』
「多分女の子になるだろ?そして服をきていないだろ?以上!これ以上言わせないでくれ!」
『別にわたしは良いのだが…ソータがそう言うのなら。』
わかってくれたか。理性が持つかわかんないんだよ。これでも元23歳童貞。今は17歳童貞。女性に対する免疫がない自分にとって、裸は目にいたいのだ。わかってくれ。
『ご主人様〜。フィリーは〜?』
「また今度な、今は待ってくれ。」
『やった〜、ぜったいだよ!』
フィリーも可愛くなるだろうな〜、ていうかまだパティも見てないけど。
そろそろ行くか、振り向いたまま確認する。
「じゃあ行くぞ、いいか?」
『うん』
「よし、人化!」
次の瞬間、後ろから光が溢れた。そして、すぐに光が収まる。
「よし、大丈夫か?そのまま服を着てくれ。魔法でサイズが変わるはずだから大丈夫だと思う。」
「ああ、人体って不思議な感じがするが、違和感はない。悪くないな」
『パティ、かわいい〜!』
(多分人化したであろう)パティを見ていた(別に羨ましいとか思ってないんだからね!畜生!)フィリーが、驚嘆の声を上げる。ていうか、フィリーに可愛いとかってわかるのかな?
『よしきたぞ。大丈夫だ。』
「そうか、では…」
そうして振り向いた瞬間、目に入ったのは…
感想、ポイントに期待です。
途中は、筆者の体験ではありませんが…主人公が22の時の誕生日…という設定です。奮発して、ケーキ作り付きのイチゴ狩りツアーに出かけたのですが、渡す相手がいなかったなんて…
{作者:そ、そんなことはいいから、続きがきになるなあ〜}
{女神:ここまでくると哀れですね}
筆者と作者は別人です。(←ここ重要)
知らなくていい設定2
空間魔法には〈収納〉と〈格納〉がありますが…
収納→中で時間が経つ
格納→なかで時間が立たない
という違いだけです。主人公は転移(Lv4)が欲しくて空間魔法を取っているので、Lv2と3で取れるどっちも持っています。