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洸の写真

 私はチエと一緒にDarwinの乗ってる音楽雑誌を見ていた。

「六月に出した新譜、恋愛の曲多かったけど、良かったよね」

「うん。念願のフェスにいきなり出演だし、今度は単独ライブ成功が目標だって洸言ってた」

 勢いに乗って上り調子なのが伝わるし、写真も元気な感じが出てる。

「みんなの写真、さすがプロの撮ったやつだよね。文句なしかっこいい」

「うん、髪型とかもいい感じ。ユッケは濡れ髪風にしてるんだね」

「セイは相変わらず、自分で髪やってるのかなあ。見た感じ変わんないけど」

 セイは札幌時代と同じ、真っ赤なツンツンヘアーだ。

「セイは髪にこだわり持ってるもんね」

「私思うんだけど洸の写真さあ、どれもやけにセクシーじゃない」

「チエも、やっぱりそう思う」

 そう、そうなんだ。洸の写真はどれも色っぽい感じがする。

 デビュー前のライブの時にタッキーが撮ってくれた写真でも、洸が唄ってる時の汗がキラキラしているのとか、見るとドキドキするのがあったけど。

 私が洸に会ってないから、会いたい気持ちでそういう風に見えちゃうのかと思ってたけど。

 もっと表情とか訴えかけるような目線とかが捉えられていて写真が語りかけてくるみたい。

 そういう風に、そういう洸が撮られてるってこと。

「洸って、そういうイメージなんだろうね、きっと」とチエが言う。

 唄ってる洸が見たい、近づきたいという気持ちが煽られて募る気がする。

 この写真にきっといろんな人がドキドキするんだろうな。洸は知ってるのかな。どう思ってるのかな。

 大学二年になった私は絵の勉強とデザイン事務所でのバイトと、そしてパソコンを使ったグラフィックの作り方を勉強していた。

 パソコンの使い方を覚えるのもちょっと大変だったけどすごく面白くて、作画も上手になりたくて結構夢中になって練習している。

 私は今もいろんなバンドの対バンのポスターを頼まれて作ったりしていて、チエや他の友達とロックの対バンライブを聴きに行ったりもする。

 今はもう、決まったバンドの受付をやったりとかはしていなくて純粋にお客さんで行く。お客さんで聴いてると余裕だし、細かいとこも見れるし楽しい。

 だけど思い出す、チエやカズネ先輩とデビュー前のDarwinの応援をしていた頃を。

 ライブ前に洸が受付に来てちょっとだけ二人で話したことや、その時触れた洸が緊張してる時のちょっと冷たい指先。

 今はいろんなことに夢中になって新しいことに挑戦して、そして考えないようにしてる。

 洸がそばにいないってことを。

 もう五ヶ月、洸に会ってない。



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