エピローグ
貴方を待ち続けて、幾度も春が通過したの――私、ずっと待っていたの。
これからは、貴方も一緒に年を取りましょう。
歌が聞こえる。
優しいけれど、暗い。
月明かりが窓から入り、私は昨日のことが思い出せない。
あれから二十年くらいかけて、ジャオファさえも驚く勢いで魔力を身につけて。
時間を動かす術を教えて貰ったの。
ジャオファは、ただ一言。
「起きたら、まずはおはようと言ってご覧」
とだけ告げて、何処かへ旅立った。
ジャオファより強くなった私に護衛はもう要らないと判断したのだろう。
だけど、それはジャオファの気遣いだって思い知る――。
金色と銀色の砂金が降り注ぐ。
歌と砂金に反応して、うっすら目を開ければ、
目の前には、懐かしくて優しくて愛しい顔。
「ユウコ、とても、とても頑張ったね――ユウコ壊れなくて、良かった」
シェイが私の髪の毛にキスをした。
思い出した――シェイの体に、時間を勧めさせる魔法をかけて。
それで一晩様子をみなきゃいけなくて、うたた寝してたのを!
慌てて垂れていた涎を拭いて、シェイへどんな顔を向けて良いか判らなくて混乱する。
やだ、もっと起きたら何か言いたいことや、もっと色んなやりたいことを決めていたのに!
シェイはいつも私の予定を乱すんだから!
「し、……お、おはよう」
「うん、おはよう――ユウコすっかりお姉さんだ」
「……失礼ね、年も取るわ、これだけの年数かかったら」
「大丈夫だよ――僕も年をとればいいんだ。これからは、もう一緒に年を取る。
一緒に森で朝ご飯の為の果実を取って、昼には魚を僕が釣ってあげる。夕方は寒いから、上着を僕がかけてあげて……って予定しようと思ったけど、この夜世界じゃ難しいね?」
シェイ、貴方の知らないところで私は夜の魔女って呼ばれたわ。
だけど貴方はそれさえも知っているみたい。
「ユウコ――有難う、大好き。それとも、もう大人だから愛してる、って言って良い?」
あの頃と変わらない笑顔に、一気に年月の重みがついて、シェイは一気に老け込んだ。
老け込んでも貴方は素敵な男性で、魅力的だなんてずるいなぁ。
ねぇ、話したいことが山ほどあるの。
沢山あるの。
だから、貴方の時間をこれから私に頂戴。
優しくて愛しい竜の子。
――完。
最後まで読んでくださって有難う御座いました!!
ええとこの作品は「空の子供」という作品で、ノベリストから転載しました。
最後本来はハッピーエンドじゃなかったり(今回はハッピーエンドにしたかったので急遽書き足しました!)
賢者の石でヅラができていたり(!)
色々あったのですが、なろうでの作品はこれということで。
もうすごい若い頃の作品だったので、懐かしみながらアップさせて頂きました。
誤字脱字失礼しました。
エピローグを書いてて、ハッピーエンドが好かれる理由が分かった気がしました。
またどこかでお会いしましょう、それでは。




