嫉妬
悪い感情とはかぎらない。
いっしょに肩を組んで
懐かしのアニメソングを歌ったり
ふたりでラーメン屋さんめぐりをしたいくらい
仲良しで大好きなあなたなのに
悔しくて 妬ましくて
すなおに 惜しみない拍手や
ひまわりの花束を贈れないときもある
かろやかで歩幅のおおきなスキップを見てると
たまには小石につまづいちゃえって
いぢわるな想いに魔がさすことも
なきにしもあらずんば
だったりしないでもないかも
だけど あなたが
ころんで おひざをすりむいて
血までにじんじゃうのを目にしたら
あたしまでいっしょになって
泣き出しちゃいそうだから
くらくらしちゃうほど あたまをよこに
ぶんぶか ぶんぶか振って
そんな気の迷いを晴らすんだ
とはいえ じつのところ あたしとしては
仲良しで大好きなあなたを
こんな嫉妬のポーズを決めながらみつめちゃうこと
うしろめたいよりも むしろ
なんか うれしいって思っちゃうんだよ
だって 仲良しで大好きなあなたが
それだけ すごくて すてきなひとだってことだもん
だから あたしはあなたのこと
これからも変わらずに
あたたかくも いとおしくも
ちょっとだけ いぢわるな視線で見ていきたい
甘ずっぱくてほろ苦い
そんな嫉妬だって ひとの胸にはあるのだ
悪くないよね。