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苦手な方はご注意ください。

詩の目次

「killing walk」 「広場の死体」 「街の死骸」

作者: 冬野三月

「killing walk」

彼が歩くと人が死んでいく


彼の傍でバタバタと倒れていく人々を

僕は安全な場所から眺めている


今日もつつがなく一日が終わった

ただし彼の傍では人が死んでいく


バタバタと死んでいくから 死体の調査人もさすがに飽きたらしい

いつの間にか どこかへ行ってしまった

そんなことは関係なく 彼は歩いて人は死んでいく


僕は彼の傍には寄らないから安全だ

多分 きっと おそらくは


そして今日も日が暮れていく

明日が始まる

死んだ人々を除いて





「広場の死体」

街の中央の広場に

数えきれないほどの死体が並べられている


焼死体

圧死体

惨死体


誰も直視できないで 道を通り過ぎていく

広場は世界から透明になっていく


死んだのは誰だろう

何のために死んだのだろう

昨日までは笑っていた人たち

昨日までは泣いていた人たち


僕は今日も笑って

明日は泣いて

そうやって生きている





「街の死骸」

街の死骸が目の前に横たわっている


どこをどうしてこうなったのか

後悔は先には立たない


街はすでに死んでしまって

誰もが立ちつくすだけ

誰もが泣きじゃくるだけ

誰もが諦めるだけ

すでに死んだものを前にした僕らは無力だ


こと切れる瞬間にあげた悲鳴を

僕らは忘れることはできないだろう


僕らこのままどこにも行けないのかもしれない

大きな死骸を呆然と眺める僕らに

明日は来るのだろうか


そして夜は来て

やがて太陽が輝き 僕らを照らし

何も変わらぬ街の死骸がそこに横たわっている

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