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足留めです


グチャッ!

ジェネラルの頭が叩き割られた。


「人間如きに何をやっている!」


ジェネラルの頭を叩き割り、人語を話したその異形は紫の体躯にジェネラルをそのまま倍にしたような巨躯をしていた。


「くそがっ! オークキングなんて天災級じゃねぇか! それが2体とは…」

「クラウドギルド長、私達で皆が逃げる時間を稼ぎましょう」

「………それしかねぇか、アリシア王女すみません」


2人で話を進めている事に溜息が漏れる。

「はぁ、全くしょうがないですね。

言っても聞かないでしょうから最後までお供しますよ」

「ザック騎士団長、苦労をかけます」

ザックが頷きで返した後。


「お前ら! ここは俺達が最後まで守る!

お前達は民の避難に全力を尽くせ! 異論は認めねえっ! いいなっ!」

「お前らもだ! 問答してる暇はねぇ!

半端な覚悟の奴は撤退しろ!」

ザック騎士団長とクラウドギルド長がそれぞれ発した。


戸惑いはしたものの有無を言わせぬ状況にそれぞれが従い出す。


「無駄な事を…追え」

キングの号令に残っていたオークとジェネラルが一斉に動き出した。


「ビャッコ撃って!」

「ヴァァァウッ!!」


周りが撤退して遠慮がなくなった為、これまでで最大の雷がオーク達を襲う。


それにより前を進んでいたオーク達は全滅したがそれでもジェネラルを倒すには至らなかった。


「小賢しい」

まだ後ろに控えていたオーク達と残りのジェネラルが構わずに前進してくる。


オークの大半はビャッコによって討伐したが何匹かはここを抜かれてしまった。

それに混じってジェネラルも街の方に行ってしまった。

いくら数が減ったと言ってもさっきまでは複数人で足止めしていたジェネラルを簡単に食い止める事が出来るはずもなく。


「くそっ! 無茶が過ぎたか!」

「それでもキングだけはこの場に留めなければ!

ジェネラルだけなら街に残っている方々で足留めは出来るはずです!」


この場に残ったジェネラルは5体、そしてキングが2体。

街に向かったジェネラルは3体。

数こそ減ったが未だ力量差は歴然だった。


「命の危機には今まで幾度なく味わって来たが……こんな絶望しか無い状況は初めてだな」


確かに絶望的な状況と言える。

でも以前とは違う。

以前はただ祈るだけしか出来なかった。

でも今は自らが動く事が出来る、それだけで雲泥の差だった。

本当の絶望は何も出来ずに見る事しか出来ない事だという事を嫌と言うほど思い知った。


「…諦める事は簡単ですが今諦める事は全てを捨てる事になります! 私は最後まで抗います!」

「……すまない弱気な事を言った忘れてくれ」

「いえ、この場に残っているだけで最上級の感謝を」

「ふぅ〜……それじゃあ最後まで足掻かせてもらおうか!」


この場に留めるべく一斉に攻勢に出た。



▽▽▽▽▽



「ちょっと待てよ…」

門から出たところですぐにオーク達が間近に迫って来る状況に遭遇した。


何でオーク達がここまで来てんだよ⁉︎

それに一際デカい奴はジェネラルじゃねぇか⁉︎

アリシアさん達はどうしたんだ⁉︎

まさか⁉︎


いやな予感が膨らんでいく。


「街に近づけるな! 迎え撃て!」

こちら側で避難誘導をしていた兵士と冒険者達が現れたオーク達を相手に奮戦している。


抜けて来たオークはかろうじてロゼさんの結界で阻まれているが流石にジェネラルまでは防ぎきれないだろう。

破られるのは正直時間の問題と思われる。


全部を相手してる暇も魔力も無い。

となるとあの3体のジェネラルだけ瞬殺して他は任せるしかないか…。


ギリギリまで素で接近して瞬閃で片付ける!

《それで残り魔力はおおよそ半分ぐらいになりますね》


半分…、アイツが相手なら正直きつい。

前回は虚をついたからなんとかなっただけだ。

同じ時間でアイツに勝てるかどうかと言われれば難しい。


《それでもやるのでしょう?》

わかってるな。


《まぁパートナーですから、私も最適解を模索しますよ》

流石頼りになるパートナーだな。

じゃあ手始めに目の前のジェネラルをなんとかしようか!


躊躇なく1体のジェネラルに接近して相手が動き出すと同時に4乗の瞬閃を放つ。

それだけで片をつけ次のジェネラルを屠っていく。


3体を即座に殲滅して振り返る事なくアリシアさん達がいる方向へ走り出す。


「お、おい! アイツ…ジェネラルを瞬殺しちまっぞ⁉︎」

「バカな事言ってないで1体でも多くオークを倒せよ!」

「嘘じゃねぇよ! 現にジェネラルが倒れてるじゃないか!」


そして同じように門から出て来たばかりのスズがその光景を見て感心する。


「やっぱり手加減してないにぃさんは凄いねぇ」

「あ、あんたさっきの奴知ってるのか⁉︎

何者だよアイツ⁉︎」

「にぃさんはにぃさんだよ。

んじゃワタシも急いでるからじゃあねぇ〜」

「お、おい⁉︎ そっちはっ!」


男の声に振り返る事なくスズもまた悠生の後を追いかけた。


凄いけどここで消耗させられたのはやっぱり厳しいかなぁ。


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