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帰還、そして開戦です


リーガル冒険者ギルド


「すいません、ここのダンジョンでお伝えしたい事があるんですけど」

「はい、どのような事でしょうか?」

「では簡潔に、地下5階で隠し通路が現れました」

「はい?」

「そこにはそれまでの階層と比較にならないゴーレムや魔物がいました」

「え、えっと……」

「ちなみに転移されて閉じ込められるので脱出の方法はよくわかりません。

今回は出てきたやつを殲滅したら戻って来られました」

「て、転移っ⁉︎」

「だから気をつけて下さいね、では急ぎの用があるので俺達はこれで!」

「ちょっ、ちょっと⁉︎ ちょっと待って下さい!!」


言うだけ言って去ろうとする俺を受付嬢が慌てて引き止めた。


「何か?」

「すみません! ギルド長を呼んで来ますのでこちらでお待ち下さい! 絶対ですよ!」


念押しして受付嬢がその場を離れて行った。

そして待つ事しばし。


「お前らだったのか、受付嬢から話は聞いたがにわかには信じ難いな」

「信じる信じないは任せますよ。

言わずに去って被害が出たってのは後味が悪いと思っただけなんで」

「………隠し通路に転移トラップ、それに密室に魔物、こんなのはもう準中級どころじゃねぇな

明らかに中級以上だな」


へぇ〜、中級以上だとそういうのあるんだなぁ。

行く時があれば気をつけよう。


「お前らが嘘をつく理由もねぇしな

悪りぃがもう少し詳しい情報を貰えるか?

そうだな隠し通路の場所とその先の魔物の脅威がわかれば助かるんだが」


俺はダンジョンの入口でもらった地図を広げて指差した。

「隠し通路は地下5階の……ココですね」

「ふむ…ラージコボルトのいる辺りか」

「ラージコボルト?」

「ん? デカいコボルトがいただろ?

あいつだよ」

「そんな名前だったんですね」

「知らなかったのかよ、じゃあその先にいた魔物も名前とかは知らなさそうだなぁ」

「知らないですね……分かってるのは最初の転移先で50体を超えるゴーレムが出現したって事と、その後の転移先で狼の姿をした魔物が出現。

最後に宝箱の姿をした魔物を倒したら元の場所に戻ったって事ですね」

「ゴーレムの数が50を超えるのはつぅのは異常だな、それに狼の姿をした魔物…ねぇ」


ギルド長が考え込んだ。

何か含みのある言い方だったけど?


「知ってるやつでしたか?」

「強さ次第だな…ゴーレムは仕様で全然違うから置いとくとして狼の魔物の方はちょっとな……」


つんつん。

「ん?」


後ろからスズに突かれた。


「強さが分かればいいの?」

「そうだな、おおよそでも分かれば検討がつくが…」

「じゃあ、はいこれ」

そう言ってスズがカードを差し出してきた。


「冒険者カード?」

俺とギルド長がカードの中身を見るとそこに表示されていたのは…。


【職業】剣豪

【レベル】46


 体力:B+

 魔力:C

 腕力:B

 敏捷:A+

 器用:A


「おいおい嬢ちゃん! マジかよっ⁉︎」


ギルド長が驚きの声を上げる。

ていうかスズ…レベル上がってね?

カード作った時って43とかじゃなかったか?


「ゴーレムの動きは問題無かったけどワタシじゃ斬れなかったねぇ。

狼の方は速さは一緒ぐらいだけど力は向こうが上だったよぉ」

「っ! それは確かかっ⁉︎」

「うん」

「おい! 誰か今すぐダンジョンに連絡しろ!

地下5階に隠し通路が出現!

そこから先は上級ダンジョンに相当する!

命が惜しければ近づくなってな!」

「じょ、上級⁉︎ わ、分かりました!」


ギルド長の言葉を受けて受付嬢が急いで飛び出して行った。


「上級に相当って…心当たりがあるんですか?

というより上級ってヤバイんですか?」

「…おめえらよくそれで無事に帰ってきたな…。

嬢ちゃんの能力値以上で狼の魔物と言われれば多分、ランクAのワーウルフだ」


ランクA⁉︎……って騎士団総出で対処するレベルじゃなかったか⁉︎

マジか? スズ1人でやっちまってるよ…。


「ゴーレムの方も厄介そうだな。

間違いなくランクB以上はありそうだ…しばらく忙しくになりそうだな」

「なんかすみません」

「何で謝ってんだ? 被害が出る前に知れて助かったぜ。

それにそのランクとなりゃ良いモン落としたんじゃねぇのか?」

「……そう言えば100%で魔石が出ましたね」

「魔石が100%って……マジか?」

「ええ、まぁ」

「こりゃなんとしてでも攻略しなきゃなんねぇな」

「頑張って下さい。

俺達は急ぎの用があるんでここらで失礼しますね」

「おう、引き留めて悪かったな。

情報提供感謝するぜ!」


これで知らずに不幸に遭う人が減るだろうし一安心。

ギルドの外に出るともう夕方になろうとしていた。

連絡あってから半日ぐらい経ってしまった。

早く戻らなきゃな。


俺とスズは早々にリーガルを出発して人気の無い場所へと向かい『配達』でフリードに飛んだ。


「……にぃさん、何で出口がここなの?」

「いや、再設定するのを忘れてたと言うべきか」

「ほんとにぃ?」

スズが若干疑いの眼差しで見てくる。


「決して他意は無い。

そもそも場所は相手が変えれるし」

「まぁそれもそうだねぇ」


俺達は今アリシアさんの部屋にいた。

配達先が潜入した時にアリシアさんのハンカチに指定したままだったのだ。


俺達は扉の周辺に誰もいないのを確認してそそくさと城内の出口へと向かった。

城内はばたついていている様子だった。


近くを通った兵士さんに何が起こったか聞いてみる。

「え⁉︎ 悠生さんご存知無いんですか⁉︎」

「いやぁ、今こっちに戻って来たばっかりなんで」

「今戻って来た? この状況で……ああ! 転移ですね! 馴染みが無さすぎて忘れてました」


フリードの兵士さんには俺のスキルは知られてるからな。


兵士さんに聞いたところ魔物の大群がこちらに押し寄せて来ているみたいで今は総出で迎え撃つ準備をしているらしい。


ギリギリ間に合ったってとこか。


「とりあえずロゼの婆さんに魔石を届けに行こう。

その後ギルドに行って状況を聞いてみよう」

「なんか休む暇が無いねぇ」


スズの言葉には完全に同意だけどそうも言ってられないからなぁ。


「ロゼさん依頼のモノ持って来ましたよ」

「ほぉ〜随分と早いね、一体どんな魔法を使ったんだい?」

「だいぶ急ぎましたよ」

「……まぁいいさね。

お陰で王都が無くなる前に届いたんだから」


サラッと縁起でもない事言うなぁ。


「と言ってもしばらくは時間が掛かるから最初はアンタらでどうにかしておくれよ。

私はこれから準備に入るからね」

「期待してます」

「そっちがしくじらなければ問題無いさね。

今からギルドに行くんだろ?

ついでだからコレを持って行っておくれ」


そう言って大きい皮袋を取り出した。

中からは瓶がぶつかる音が聞こえてきた。


「これは?」

「先日アンタ達に頼んだやつだよ」


って事は中身は中級回復薬か。


カァンカァンカァンカァン!

「ん?」


遠くから鐘を叩くような音が聞こえてくる。


「どうやら来たみたいだね」

「この音は?」

「非常事を知らせる鐘の音だよ。

ギルドへ行くなら裏道を通って行きなよ。

表通りは城へ避難する住民達で溢れ返ってるだろうからね」

「ありがとうございます。

ロゼさんもお気をつけて」


ロゼの婆さんの言う通り表通りはとても通れたもんじゃなかった。

すぐに裏道に入ってギルドを目指した。


急ぎギルドの扉を開けるがそこはガランとしており誰もいなかった。


「すみませーん! 誰かいますかぁー?」


ガタガタ!

奥から物音がした。


「この非常事に誰ですかっ⁉︎」

手にいっぱいの荷物を持って現れた受付嬢に怒鳴られた。


「忙しい所なんかすみません。

たった今依頼から戻りました」

「あ! 悠生さんにスズさん!

すみません! 今のは聞かなかった事にして下さい! お二人がここに戻ったって事は⁉︎」

「ええ、魔石はロゼさんに渡して来ましたよ。

ついでにコレも預かって来ました」

「これは?」

「中級回復薬だそうです」

「ホントですかっ⁉︎ 間に合ったんですね!

ではすみませんが急ぎ西門の方に向かってもらえますか⁉︎

クラウドさんもそこにいるはずです!

私はまだ持って行く物の準備があるのでよろしくお願いしますね!」

「分かりました」


俺達は急ぎ西門の方へ向かった。

こちらの方はすでに人通りは無く静かなものだったが、西門に近づくにつれて屈強なお方達の姿が見えて来た。


冒険者や城の兵士らしき格好をした人達が数人。

それ以外に非戦闘員、おそらく後方支援や治療担当と思われる人達が集っていた。


戦闘員が少ないな。

兵士の数はもっといたような気がするんだけど?


「魔法部隊! 撃ち方用意!」

「こちらも準備を!」


そんな事を思っていると上から2人の聞き覚えのある声が聞こえて来た。


声を頼りに上を見上げると城壁の上、門から左の方にある見張り台らしき場所にクラウドさん、そして門から右の方にある見張り台にはアリシアさんの姿が見えた。

そこから間隔を空けてクラウドさん側には格好はバラバラだが魔法使いと言った姿をした人達、アリシアさん側にはローブを纏った人達の姿が十数人見えた。


「撃てえぇっ!」

「今ですっ!」


クラウドさんとアリシアさんの号令の後、手や杖を前方に突き出して照射される何か。

ここからの位置では見えなかったが、そして門の外から轟音が振動と共に伝わってきた。


「魔法部隊援護射撃の準備!

さて出番だぞお前らっ! 1匹も通すんじゃねぇぞっ!」

「騎士団の皆さん! お願いします!」

「「「「うおおおおおーっ」」」」


クラウドさんとアリシアさんの声に応えるように外から大勢の気勢が響いた。


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