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ダンジョン探索です③


「さて、休憩も済んだしそろそろ行くか。

本命の魔石はまだ3個しか落ちてないしな」

「ふぁ〜い」


……また飴食べてる。


地下4階は今まで出て来た奴らの複合と言えばいいいだろうか?

コボルトライダーのようにセットで出て来る事が多かった。

見た目はゴリラ、猿、蝙蝠果ては犬猫に至るまで様々だった。


と言っても危ない場面でも2乗で対応可能だったので問題は無い。

所詮ケモノ、その程度ではまだまだ知恵が足らんよ。


《何様ですか?》

知恵は人類の武器ですよ。


《知恵なんて使ってないですよね?》

要所要所でスキル使ってるよ。

でないと今頃ガス欠になってるよ。


《あちらは知恵とは無縁のようですが》

言われてスズの方を見る。


「ウゥゥ…」

犬型の魔物達が怯えてる。

それを見かねてか鳥型の魔物がスズを狙って特攻するが、それも虚しく直前で散らされていく。


こっちから見たらただ飴を食べてるだけにしか見えないから不可思議な現象だよなぁ。

スズは相変わらず余裕そうだし。


俺達はその後も苦戦する事なく地下5階への階段へと辿り着いた。

地下3階はちょっとありえなかったけどそれ以外はランクDで踏破可能って言われても納得出来るな。


階段を降りると一本道でその先が終点となる。

マップの踏破率も99%とここが最後で間違いなさそうだ。

このいかにもな先には何がいるのやら。


最後の部屋に辿りついて中を見回す。

部屋の角に大きめの丸い岩があるだけで他には何も無い。


てっきりボスみたいな奴がいると思ったけど杞憂だったか?

最後の部屋にお宝があるわけじゃなさそうだし、マップも踏破完了したから何も無いならもう用は無いな。


「…にぃさん、アレ動いてる」

「アレって?」

最初に岩だと思った場所をスズが指差している。


ジーっと岩と思われる物を凝視する。

すると僅かに上下しているのが分かった。


「…呼吸してる? 岩じゃなかったのか?」


俺の声に反応したのか岩らしきものが規則正しい上下から一瞬ピクッという反応を示した。


「グルゥゥゥ」

低い唸り声と共に岩らしきものが動き出して立ち上がった。


……見た目はコボルトなんだけど大きさがもうそれじゃないな。

4メートルぐらいあるか?

もうコボルトって呼べないな……でかコボルトと呼称しよう。


「グアァァッ!」


寝起きとは思えない咆哮と共にこちらに襲いかかって来た。

動きはそこまで速く無い。

でも体格が今までと違うから単純に力は強そうだ。


地面スレスレを掬い上げるように腕を振るって来たのを俺とスズが左右に飛び退く事で回避する。


動きは俺の2乗ぐらい、今までの雑魚とは違うな。

やっぱボス的な存在って事か。

とは言えここで時間かけてもしょうがないしサクッと終わらせますか。


獣の嗅覚で俺の方が容易いと思ったのか、でかコボルトはスズを無視してこちらに迫って来た。

スキルが無ければその判断は正しい、だが残念だったな!


こっちからも接近してでかコボルトの射程に入った瞬間に発動。


3乗、『瞬閃』!

でかコボルトが攻撃に移る前に居合の如き斬撃を放つ!


「およ?」

ボォンッ!


スズの珍しげな声と共にでかコボルトが爆散した。


おっ! 爆散したと言う事は………あったあった!

4個目の魔石ゲット!

流石ボスっぽい奴なだけあるな。


「さて、どんなもんか分かったし一回出るか」


聞いた話ではダンジョンというのは一度出るとある程度リセットされるらしいのだ。

もちろんそのまま潜り続けてもリポップするらしいのだがその場合は魔物の出現が遅いのだ。


探索が目的ならそれでも構わないんだが魔石を求めてる俺達にとってはだいぶロスになる。

なので一度ダンジョンを出て再度挑む方が効率がいいのだ。


「ねぇねぇにぃさん、さっきのって……」

「さっきの? ……ああ、『瞬閃』?」

「そうそう」

「刀じゃなくても出来そうだったから使わせてもらったよ」

「見ただけで覚えたの? にぃさんまたなんかした?」

「いや、ちゃんと練習したぞ……夢でだけどな」


技の発動自体はリモートなんで、俺が覚えたっていうのとはちょっと違うんだけどね。

夢の中での成果を具体的に言うなら夢現を技として発動するって事が1番コスパが良いという事に落ちついた。

某RPGで言うと呪文ごとに出力が調節出来る仕様になった感じか。


これなら使ってる最中に突然終了する事も無い。

で、スズの技が1番身近だったので参考にさせてもらったのだ。


「なんかズルくない?」

「せっかくのスキルだし使えるもんは使わないと」

「むぅ……」


一応の納得はしたみたいだが、なんか不服そうだな。

まぁ、日々の鍛錬すっ飛ばして使ってるみたいなもんだからな。


そしてダンジョンから出て再スタートを切った。


魔石必要数まで残り46個。




そして………。


開始から5周目が終了した。

外は完全に真っ暗になっていた。

結果から言うと魔石必要数まで残り43個。


1周目は4個、2周目は2個、3周目は1個、

4周目以降はゼロ。


ご覧の通り周回を重ねるごとに魔石のドロップ率が落ちているのだ。


初回ほど魔物に遭遇していないというのもあるが、顕著だったのが地下3階だ。

初回のみ異常な数だったが、2周目以降は2桁の数字で収まっている。

ただ初回から魔石を一度も落としてないので正直いらない奴らだ。


3周目までは最終ボスが1個落としてくれていたのだがそこで途切れてしまった。


「やべぇ何だコレ、確率悪過ぎるだろ?

1日で終えるとかどう考えても無理ゲーだ」

「ムリゲー?」

「え? ああ、俺のとこでの言い回し。

難易度が高すぎるって事」

「そ〜だねぇ、まだ半分も集まってないからねぇ」

「今日は終了にしてまた明日頑張るかぁ」

「さんせぇ〜、甘味がワタシを呼んでるぅ〜」

「…………」


飴無くなるまで食べてたよね? とは言わない方がいいんだろうか?

まぁ1周目で食べ尽くしてたけど。


翌日からは朝一でスタートしてダンジョン周回に挑んだ。


「このペース不味く無い?」

「終わりそうに無いねぇ」


只今4日目の周回を終えて宿で夕食を食べている。


2日目。

一度休憩を挟んで10周を終えた。

昨日のボスドロップ率を考えて最短最速で地下5階の最下層まで潜って討伐したのだが……。


結果はまさかの2個!

しかもボスドロップ無し!

蟻は相変わらず何も落とさない、そのくせ通路にいるから倒さざるを得ない。

全くもって面倒くさい。


3日目。

手当たり次第魔物を殲滅。

周回ペースはやや落ちるがこの際しょうがないと割り切って挑み8周を終えた。

結果ボスドロップ1個!

蟻は相変わらず何も落とさない。


4日目。

前日同様攻めるもここでまさかの収穫ゼロ!

どうしろと⁉︎


というのが現状である。

魔石必要数までまだ40個もいる。

このペースだと半月以上かかる……猶予としては後1週間。


最初が調子良くて後が続かない。

よくある事だがゲームだと納得出来るけど、実際だとくるものがあるな。

と言ってもひたすら周回するしか手は無いか…。


5日目。

1周目地下5階、初回同様殲滅ルートで進行。

どいつが落とすか分からないから各階層根絶やしにして進む事にした。


ボォンッ!

でかコボルトが爆散する音が部屋に響いた。


「良かったぁ、今日も収穫無しだと流石に折れるとこだった」

「まだ先は長いけどねぇ」

「無しよりマシだよ、じゃあ戻るか」

「はぁい」


《マスター、よろしいですか?》

どしたの?


《新しい道が現れました》

は?


《新しい道が現れました》

いや、リピートしなくていいよ!

どう言う事⁉︎


《毎回同じ所で出現している大きいコボルトの後ろ、そこから別の場所に行けそうです》

隠し通路か⁉︎ いや、でも待てよ?

何で今のタイミングで?


《出現したのが今、という事だけでそれ以上は分かりません》

………危ない予感もするけど、起死回生の一打になりうる可能性もある。

このままじゃ手詰まりなのは間違い無い。


「にぃさんどしたの?」

「ん、ちょっとな」


俺はスズを連れて新しい道とやらがある場所まで近づいて行った、が。


見た目全然分からん。

とりあえずマップだとここっぽいんだが?


壁に手を触れるとその部分が急に消失した。

「わっ⁉︎」

「わぁっ⁉︎」


そこには新たな道が現れた。


「「………………」」

2人しばし無言で通路を眺める。


「行くんでしょ?」

「いいのか?」

「じゃないとこっちに来ないでしょ? どうやって見つけたのかはもうにぃさんだから気にしてもしょうがないし」

「凄い言われようだな……じゃあ行くぞ」

「お〜」


歩く事2、3分で通路は終わり、四方5メートルぐらいのフロアに出た。


「あれ? 行き止まり?」

「何にも無いねぇ」

「もしかして他にも誰か来た事があるとか?」

「それは無いんじゃないかなぁ。

あんなの分かる人がいると思えないけど」


カッ!

「「っ⁉︎」」


突如フロア内の地面が光った。

そしてフロア内に六つの光が灯った。


ダンジョントラップか⁉︎

しかもこの光り方っ⁉︎


「スズっ!」

「わっ⁉︎」


咄嗟にスズの手をとったその直後、2人は光に包まれその場から消えていた。


魔石必要数まで残り39個。



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