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ご指名はいります


「………全部で574本。

1本銀貨5枚……時間と量を考慮して少し色をつけて大金貨3枚払わせてもらうよ」


ん? 大金貨3枚?

………30万⁉︎ マジっ⁉︎


「お〜、結構なお値段」


1週間程度で月給ぐらい出るとかすげぇなぁ。


「アンタらの実力を見込んでなんだが別の依頼を受けてみる気は無いかい?」


俺が予想外の報酬に驚いている所にロゼの婆さんがそんな事を言ってきた。


「別の依頼?」

「魔石の収集」


魔石……それって定番ものの認識でいいのか?


「スズは知ってる?」

「魔力を蓄えた石ってことぐらいかなぁ」

「それで合ってるよ」


ふむ、認識に齟齬は無いようだ。

ただ気になるのは何故薬屋の婆さんがそれを依頼するのかって事だが。


「なんで薬屋が何故魔石の収集なんて頼むのかって?」


……また読まれた?

この世界の住人どうなってんの?


「にぃさん顔に出過ぎ」

「え? 嘘っ⁉︎」


まさかの自爆⁉︎


「薬とは関係無いしそう思うのも無理は無いけどね。

隠すつもりはないから言うけど私は占星術師なんだよ」


「せんせいじゅつし?」

って……あの占いの?


「と言ってもそんな大層なもんじゃないよ。

意図して観る事は出来ないし、自分に実害がある時だけわかる程度さ」


虫の知らせみたいなもんか。


「それで近いうちに凶兆ありって出てね」


……それって過ぎ去った脅威の事じゃないよね?


「それっていつ分かったんですか?」

「1週間ぐらい前かね」


それだとオークキングとは別物って事か。

それでも十分すぎるほど大事件だよなぁ。


「この事は冒険者ギルドには既に伝えてあるから国の方にも伝わってるだろうね。

知ったところで混乱するだけだろうからまだ下の者達は知らないだろうけどね」


凶兆ありってだけじゃ何が起こるか分からないからな。

でも……。


「あの、魔石って何に使うんですか?」

「王都を結界で覆う為さ」


「結界?」

凄そうな単語が出てきたな。


「そんな大したもんじゃないよ。

防げるのはせいぜいランクC程度の魔物ぐらいまでだろうね。

気休め程度だけど無いよりマシだろうからね」


そういうのもあるのか………ん?

「結界ってもしかしてロゼさんが張るんですか?」

「そうだよ」

「占星術師ってそんな事も出来るんですか?」

「いや、これは占星術は関係無いよ」


職業は占星術師で薬屋をやってる、そして結界を張る事も出来るって婆さんすげぇなぁ。


さて、どう見るべきか。

《マスターの性格なら受けるんじゃないですか?》


その心は?


《思い出して下さい。

直近の魔族による占領は視えなかった。

これは国の縛りはキツくなったが命を脅かす被害がなかったからだと推測されます》


確かに国民は全く気付いてないしな。


《しかし今回は視えた。

先程ロゼが言っていた『本人に実害が出る』と言う事は国全体に降りかかって来る災害の可能性が高いと思われます》


国全体って……っ! それはいかんっ!

せっかくアリシアさんを窮地を救ったのにまた窮地に陥るって何だよ!


不幸は更なる不幸を呼び寄せるって聞いた事あるけど、まだ一ヶ月ぐらいしか経ってないのにちょっと不幸のレベルが異常だな。


そうなるとミクの言った通り受けるか否かで言えば受ける。

アリシアさんの危機をスルーするとか有り得ない!


《ほら》


「その依頼受けます!」

「そうかい? なら後からギルドの方に指名依頼を出しておくよ」


指名依頼? そんなのがあるんだ。


「それで魔石ってどこで取れるんですか?」

「魔石はダンジョンが一番効率がいいよ」

「ダンジョン⁉︎」


大丈夫かそれ⁉︎


「安心しな。

リコールスライムをゴリ押しで倒せるぐらいなら何の問題も無いさ。

ここからならリーガルにあるダンジョンが近いかね」


そんなもんなのか?

ゴリ押しで思い出したけど、勢いで受けますとか言ったけどスズの意向を聞いてなかったな。

スズの方を振り向くとやれやれと言った感じのリアクションが返ってきた。


どうやらついて来てくれるようだ。

となると前回の事もあるし一応ギルドで聞いてから行くか。


「えっ⁉︎ 悠生さんダンジョンに行くんですか⁉︎」

「まぁ、そう言う事になりました」

「場所は……リーガルですか……、という事は準中級ダンジョン……それなら大丈夫かな?」

「準中級ダンジョン?」

「あ、ダンジョンは難易度でランク分けされてるんですよ。

大まかに言うと初級、中級、上級、特級と言った形ですね。

中級からはさらに二つに分かれてますよ」


へぇ〜、ダンジョンに等級……これは聞き覚えがないなぁ。

準中級って事は下から2番目の難易度ってことになるのかな。


「準中級は冒険者ランクDなら踏破可能な難易度になっていますね。

中級になるとC以上推進ですね」

「一応安全圏内って事ですね。

何か注意事項ってありますか?」

「その辺りはここより現地の方が詳しく聞けますよ」


そりゃそうか。

んじゃ現地で情報収集だな。


「おっ! 期待の新人じゃねぇか。

これから依頼か?」


ギルドを後にしようとした所でギルド長のクラウドさんが入って来た。


「ちょっとリーガルって所のダンジョンまで」

「リーガル? そんなとこの依頼なんかあったか?」

「ギルド長、ロゼさんからの魔石収集の指名依頼ですよ」

「ロゼ…………ああ、あの人からか。

……しかしリーガル……か」


クラウドさんが何か考えるような仕草をしている。


「どうかしましたか?」

「ん? ああ…、ちょっといいか?」

「? いいですよ?」


そう言いながらクラウドさんが奥の部屋を指した。

どうやら付いてこいって事らしい。

俺達2人は受付嬢を残してクラウドさんと共に別室に移った。


「あの人からの指名依頼って事は占いの事は聞いたか?」

「近いうちにここに凶兆ありって事は」


「それなら話が早い。

今国と一緒になって防衛を固めてるとこだ。

ギルドの依頼も遠出のモノは引き下げてる。

近いうちって言うのがいつ頃かは分からんが、ひと月程度だろうと考えてるんだ。

あの人からの依頼ならすぐに達成して欲しいんだが問題がある」

「問題?」

「リーガルとこことの移動時間だ。

片道だけで馬車で10日はかかる」


結構遠いな。

でも往復20日で依頼を達成する為の猶予で約10日、なんとかなりそうな気もするけど。


「占いから既に1週間が経ってる。

依頼の品の準備も考えると実質1、2日程度しか余裕は無いと思った方がいい。

ちょいとばかり無理をさせるが最速で達成して欲しい」


あ、そこ考慮して無かった。

でも1日、2日でなんとかなるものなのか?

まだ魔石の集め方すら知らないんだけど?


「クラウドさんちょっといいですか?」

「何だ?」

「時間が限られてるのは分かったんですけど、魔石ってそんな簡単に集まるもんなんですか?」

「魔石集めるの初めてか?」


その言葉に俺とスズが頷く。


「そうか、でも安心しな。

ダンジョン内の魔物を倒せばそいつらが落とすから実力的には問題ねぇだろ。

問題があるとしたら毎回落とすわけじゃ無いことぐらいか」


確率ドロップ⁉︎


「いくつ必要って言われたんだ?」

「えっと…小石ぐらいのを50程度って言われました」

「……マジか」


まさか実際にリアルシャトルランをする事になるとは…、中々苦痛な作業になりそうだ。

ドロップ率1/2だったとしても100体の魔物を狩る必要があるとか…。


クラウドさんがギルドから去り際に言った。

「落とす確率より獲物を見つける方が大変かもな」


その後、城に行って旦那に暫く依頼で遠出する事を伝えてリーガルへと向かった。


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