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誓いを立てました


「レベルも43とはとんでもないな」


そう言えばレベルって概念があったな。

一回お知らせ受けたっきりだからすっかり忘れてたな。


お知らせはミクの匙加減って事だったが、キングとバトったし変なのとも散々戦ったからな。

凄いレベルアップをしてそうだな。


「あの、俺のレベルっていくつですか?」

「ん? ああ………ん? 『旅人』? 何だこの職業は?」


あ、まずはそこですか。


「見た事ねぇな……ステータスは…初期の戦士ぐらいか、無茶しなきゃ大丈夫か」


クラウドさんがステータスを確かめて一応の納得はしたみたいだ。

ここで止めとけとか言われたらどうしようかと思った。


「レベルだったな………5だな」

「………ご?」

「5だ」


……ホワイ?

俺の記憶が確かならそれは変わっていないんじゃ?

《変わってませんね》


いやいや! 何でよ⁉︎

オークキングと戦ったのにっ⁉︎

《倒してませんから》


ぐっ! それを言われるとそうだが…………だったらその前のゴーレムとか赤い手のやつにオークジェネラルはっ⁉︎

あいつらは倒してるでしょっ⁉︎

《夢ですから》


何にいぃぃぃぃっ⁉︎

まさかのノーカンっ⁉︎

夢で経験値アップとか言われれば都合良すぎではあるけどさ! 何か! 何か無いの⁉︎


《アーミーアントを一体と真紅という黒狼を現実で倒してますけどね》


あった!

……あれ? じゃあ何で変わって無いの?


蟻はランクDって書いてたから経験値不足って言われればそうなんだろうけど、黒狼ってランクBに分類されてたけど?


《マスターのレベルが上がっていない理由は違いますよ》

え? 違うの?


《マスターのレベル上限が5なだけです》

は?


《マスターのレベル上限が5なだけです》

いや! 繰り返すなよ!


てかレベル上限5ってなんだよっ⁉︎

酷すぎる!


《そこはしょうがないですね。

レベルは上がらなくてもステータスは伸ばせますので後は私のレベルを上げて下さい》


なんてこった…。

まさか最初のレベルアップで既にカンストしてるなんて。

俺が内心でショックを受けているのも構わずに話が進んでいた。


「支部に有望な奴が増えるのは嬉しい事だな。

ねぇちゃんみてぇに強ければなお良しだ」

「強くてもどうにもならない事もあるけどねぇ」

「何だ? 謙遜か?」

「そんな大したものじゃないかなぁ」


……? スズぐらい強ければ出来ない事はなさそうだけどな?

オークキングみたいな例外はあるんだろうけど。


いつもと変わらない調子だから分からなかったが、もしかして歯が立たなかった事が何気に悔しかったのか?


「まぁ実力があるのは間違いねぇんだ。

ねぇちゃん、何かあった時は頼らせてもらうぜ」

「報酬が貰えるならいいよぉ〜」


返事が軽いなぁ。

俺だったら厄介ごとは避けてるな。


《そもそもマスターに話は来てませんけどね》

悲しくなるから言わないで!


「クラウドさん! なったばかりの人にそんな事言っちゃダメですよ!」

「何だよ実力は俺が保証するんだからいいだろ」

「ダメに決まってるでしょ! せめてランクDまで上がってから話をして下さい!」

「わかったよ、んじゃササっと登録済ませちまいな」

「はぁ……、では登録に移りますね。

まずは試験突破おめでとうございます。

当ギルドでは優秀な方は大歓迎です」


受付嬢が気を取り直して歓迎してくれた。

何というか自由な人で苦労してそうだなと思った。


「ではお二人の冒険者カードの作成に入りますので、そちらの女性の方、お名前をこちらにご記入お願いします」

「はぁい」


スズが名前を書いた紙を受付嬢に渡す。


「では少々お待ち下さい。

ほらクラウドさんも来て下さい」

「分かってるよ」


そう言いながら2人して奥に消えて行った。


そこから少しして2人が戻って来た。


「こちらがお二人の冒険者カードになります」

そう言って受付嬢がカードを手渡して来る。


見るとそこには名前とランクFの他にフリード王国支部と書かれていた。


思ってたのより大分情報が少ないな?

それに随分と余白が多いがこんなものなのだろうか?


()()()()()()()()()のは必要最低限の表示だけになります」

「常時表示されている?」

「はい、職業鑑定の時に魔力の固有パターンを登録していますので本人が手に取って表示したい内容を思い浮かべれば表示されるようになっています」

「へぇ〜」


試しに職業とレベルを思い浮かべてみる。

すると余白の部分に旅人の文字と5の数字が表示された。


今度は消えろと思うと最初の表示に戻った。


おおすげぇ! 近代文明もびっくりだ。

でも5の数字を見て若干切なくなった。


「こちら身分証としても使用出来ますので、常時表示項目以外、主に職業やランクなどを表示して見せるのが一般的な使い方となっています」


なるほど本人以外は意味を成さないからこそだな。


「ランクの更新はギルドで行います。

その際は副ギルド長以上の権限が必要になります。

ただ素行が悪いと更新が行われない場合もあり最悪資格剥奪もありえますのでご注意下さい。

何かご質問はありますか?」


俺は特に無いなぁ。

「はぁい」


とか思っていたが、意外な事にスズから声が上がった。


「どうぞ」

「お預けは今から出来るの?」


お預け? 何だそりゃ?


「すみません、それはランクDからの権利になります」

「え〜そうなの?」

「そうなんですよ」


「スズ、お預けって?」

「ギルドにお金を預ける事が出来るみたいだよ。

そんで他のギルドで引き出すのも自由自在って旦那に聞いたんだぁ」


なるほど要は銀行か。


「まとまったお金が手に入ったからねぇ。

かといって持ち歩くには邪魔だしねぇ」

「あれ? スズが冒険者になろうとしたのって、もしかしてソレが目当て?」

「そだよ、どこでも引き出し出来るから便利だしねぇ。

にぃさんそういうわけだから早くランク上げるよ」

「俺もか?」

「2人でやった方が早いでしょ」

「それっていいのか?」


「構いませんよ、人脈も実力のうちですし、パーティを組んでこなすのも可となってます」

「それならいいか」

「決まりぃ〜」

「あっ! その前に試験代の支払いをお願いします。

大銀貨1枚になります」

「そう言えばそうだったねぇ、はいコレ」


スズが受付嬢に手渡すのを見てふと思い出す。

……やべ……なんか忘れてる気がしてたけどコレだ!

……これは最終奥義を使うしかない!


「スズさん!」

「ほえ?」

「お金貸して下さい!」

「「「………………」」」


3人の悲痛な沈黙と視線が俺を射抜く。


「……にぃさん、ちょっとは考えた方がいいよ?

せっかく機会があったのに」

「ごもっともです」

「んじゃ出世払いでね」

「スズさんマジ感謝!」


スズのお陰でなんとか絶体絶命の窮地を乗り切れた。

2人の視線が気になるが深くは考えないようにしよう。


「よし! 依頼こなしてまずは借金返済だ」

「「…………」」


またもや悲痛な視線を感じた俺は依頼を受けて早々にギルドを立ち去った。


「討伐依頼は後回しにして、恒常依頼の薬草採集からかな」

「探してる間に討伐出来そうなのがいるかもしれないしねぇ」


「よし決まり、えっと採集対象はヤワラ、しびれ草、ドクトル、ポムの実、このリストを見ると全部薬草の素材みたいだな。

このポムの実っての以外は王都の周りで集まるみたいだしこれからいっとくか」

「異議なぁ〜し」


じゃあ出発と思いきや。

「あ、その前にムジカのとこに寄っていい?」

「そう言えば剣折られてたねぇ、いいよぉ」


そうしてムジカの店に足を運んだのだが、ここでまたしてもスズに借金をしてしまった。


そこそこいい剣を選んでくれたらしく割引してくれて大金貨1枚というお値段だった。


マジでスズに頭上がんねぇ〜。

早く返済しようと心に誓った。


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